今回は、Nounsから派生したNFTプロジェクト「Noun Cats」について紹介・解説していきたいと思います。
Nounsの派生プロジェクトについてはいくつか事例が出始めているものの、執筆時点ではあまり注目されていない(特に日本では)印象を受けたため、弊メディアで積極的に紹介していきたいと考えました。
ということで今回は、Nouns派生プロジェクト第1弾として「Noun Cats」について取り上げていき、その概要やコンセプトなどを紐解いていくことでNoun Catsの実態を理解していただくことを目的とします。
でははじめに、この記事の構成について説明します。
まず、Nouns DAO×Cool Catsの派生マッシュアップNFTプロジェクトとして注目を集めつつある「Noun Cats」プロジェクトの概要などについて解説いたします。
次に、執筆時点において明らかにされているスケジュールやロードマップ、また実行済みの来歴などについて解説してまいります。
最後に、Noun CatsがCC0ライセンスで管理されている「パブリックドメイン」であることなど、私見を交えながら注目に値するポイントについて解説いたします。
本記事が、Noun Catsの概要や、Nouns派生プロジェクト事例などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。
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「Noun Cats」とは
- Webサイト
- Etherscanページ(The Invisibles)
- OpenSeaページ(The Invisibles)
- Etherscanページ(The Cats)(※執筆時点では存在しないので後日追記予定)
- OpenSeaページ(The Cats)(※執筆時点では存在しないので後日追記予定)
- Discord
概要
Noun Catsは、本家Nouns NFTの派生プロジェクトとしてローンチされたものです。
プロジェクトが始動したのは2021年10月11日(※筆者調べ)なので、執筆時点から逆算すると約4ヶ月前になります。
Noun Catsの実態としては、
- The Invisibles
- The Cats
の2つ(各5,000個ずつ)からなるNFTコレクションです。
では、この2つのNFTコレクションは何が違うのかというと、以下イラストをご覧ください。
前者のThe Invisibles(上イラスト左側)は2022年2月17日にMint開始となっています。その名の通り顔の部分が見えなくなっています。
後者のThe Cats(上イラスト右側)はその2週間後(3月頭あたり)にMintデーを迎える予定で、先程のThe Invisiblesに猫の顔を埋め合わせたものになります。
仕様としては、The Invisiblesを1つ保有するごとにThe Catsを1匹飼うことができるリストに載り、どちらのコレクションもそれぞれ1つあたり0.075ETHでMintできます。
また、それぞれのNoun Catには対応するThe Invisibleがある仕様となっており、
- Nounterpart(片割れ・相方)となるNFTを自分で手に入れる(保有する)
- もう一人のオーナーを見つけて協力し、特別なスマートコントラクトと対話し、全く新しいタイプのNoun CatをMintする
のどちらかの方法を選択してNoun Catを完成させるそうです。
執筆時点の段階では、2種類の異なる(かつペアとなる条件を満たす)NFTを組み合わせて、新たに1つのNoun Cats NFTをつくりあげるものであると筆者は理解しています。
このような仕様であることを踏まえて、Noun Catsは自らを「セレンディピティ・マシーン」として設計されたNFTコレクションであると謳っています。
セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。
出典:Wikipedia
運営チーム曰く、「あなたのNounterpartが、この怪奇な時代の単なる話し相手・プロジェクトの協力者・あるいはもっと大きな何かなど、あなたの人生のコースを変えるような繋がりになることを望みます。」とのこと。
世界各国に点在するNounterpart(ペアとなるNFT保有者)同士の「偶然の出会い」といった要素を大切にする思想をもった作品で、筆者個人としても非常に好みのコンセプトをもったNFTコレクションであり、今後の展開に期待しています。
チームメンバー
Noun Catsは、執筆時点では以下の3名で運営されています。
- Backseats:共同創設者・開発を担当
- Dean Harvey:共同創設者・イラストを担当
- Plaid Shaman:UI/UX+ウェブ開発を担当
「Noun Cats」のスケジュールやロードマップ
本章では、執筆時点において明らかにされているスケジュールやロードマップ、また実行済みの来歴などについて解説してまいります。
スケジュール
2月17日、ユニークな特徴を持つ5000匹のInvisible Noun Cats(The Invisible)が世に放たれました
その2週間後、5000匹のNoun Catsが到着します。同じtraits(特徴)を持ちながら全身が揃っていますが、invisible Nounterpartsを失っています。
The Invisiblesの保有者は、それと同じ数のThe CatsをMintできる『優先Mint枠』を持つことになります。
2つが1つになるとき。
Nounterpartsをひとつにするのはコミュニティ次第です。
BodyやThe Invisibleの保有者は、同じ特徴を持つNounterpartsを見つけるために、有限の期間をもつことになります。
そこから、Nounterpartsは結合することができ、第4期への特別なアクセスパスで両方の保有者に報酬を与えます
Noun Catsの最初のフェーズは、まさにその始まりです。
これから作り、遊び、成長していく中で、皆さんと一緒に楽しいものを作り、喜ばせ、驚かせるものをたくさんローンチしていくことに、これ以上ないほど興奮しています。
以下の「ロードマップ」から、私たちの考えをることができます。
ロードマップ
10月にNoun Catsを立ち上げたときから、「ロードマップはどうするのか?と聞かれることがありました。
私は毎週何十ものNFTプロジェクトを見て、その「ロードマップ」を読んでいますが、どれもほとんど同じことしか書かれていません。
“我々はゲームを作ります!” “サンドボックスのランド” “Kongzがやったから受動的収入トークン” “Cool Catsがやってる事なら 何でもいい” “メタバースの何か”
私たちは、他の人がやっていることを真似ることに興味がないですし、それはとてもつまらないと思っています。
私たちは、ビデオゲームを作りたいわけではありません。
それは、成功することが非常に難しいプロジェクトです。
NFTのプロジェクトをどう分類するかによって、証券になるかならないかが決まるトークンを作りたいわけではありません。
ほとんどのチームは、これらのロードマップを実行するためのスタッフやスキルレベルを備えていませんし、私たちはユーザーに対して空約束をしたくありません。
Noun Catsは、オンライン上で自分を表現するためのプロジェクトです。
ユーザーがネコと交流することで、ネコがあなたのPFPとなる、私たちはそれを光栄に思っています。
また、Noun Catsはパブリックドメインなので、どのNoun Catでも好きなようにリミックスして、好きなように使うことができます。
Noun Catsはオープンソースです。唯一の制限はあなたの想像力であり、それを行うために私たちの許可は必要ありません。
私たちも同じ立場だと考えてください。私たちも新しい斬新な方法でNoun Catsをリミックスしていこうと思います。
ここで、いくつかのアイデアを紹介します。
Noun Catを持っていると、将来のプロジェクトや友人のプロジェクトでallow list(ホワイトリストの代わりとなる存在)がもらえるかもしれません。
私たちがローンチする特定のコントラクトは、Noun Catの保有者だけが使用できるようになるかもしれません。
それは、オンチェーンでのユニークな実験や体験という形で、Noun Catホルダーにとってのサプライズを意味するかもしれません。
私たちにとって唯一の限界は、私たちの創造性だと考えています。その初期の例として、私たちのNounCaterpillar実験があります。
Dean(共同創設者・イラストを担当)と私は、Noun Catsを始める前から第2弾のコレクションの話を始めていました。
Noun Catsを買うと、Project 2が無料か割引で買えるかもしれない。これは今のところ単なるアイデアに過ぎません。
まだ具体的な計画はありませんが、皆様のサポートは私たちにとって大きなものであり、私たちが行くところには皆様をお連れしたいと思っています。
私たちはラグを売るのが仕事ではありませんからね。
昨年、私は仕事を辞め、Web3にフルタイムで取り組みました。
私はこのスペース、このコミュニティ、それが可能にするもの、そして個人的に私を刺激し、励ましてくれる創造性が大好きです。
Noun Catsは鍵であり、それは多くの扉の鍵です。
それらのドアはまだ夢想されていませんが、隣接する可能性がそれらを誕生させるでしょう。
私たちを信じてください。プロセスを信頼してください。
これが私たちの “ロードマップ “です。
ご質問やアイデアなど、お気軽にお寄せください。
私たちは成長するコミュニティを愛し、皆さんと一緒に「怪奇なインターネット」を作りたいと思っています。
来歴
gm world
— Noun Cats (@NounCats) October 11, 2021
Our first fan art! Thank you! https://t.co/hiFe2HAcO7
— Noun Cats (@NounCats) January 20, 2022
当初は2月14日のバレンタインデーにプレセールをおこなう予定だったが延期となり、その代わりに500個のNoun Cats NFTをGiveawayすると発表。
Recap from tonight’s Let’s Chat With the Noun Cats:
— Noun Cats (@NounCats) February 11, 2022
MINT DATE MOVED UP: now Thurs,Feb 17!
Allow list sale 5–9p eastern (3 max)
Public mint 9p–sell out
🚨🚨We’re also giving away 500 FREE Noun Cats Mon-Thurs next week!
Follow us and turn on notifs for flash giveaways!
Presale is live!https://t.co/7oc94zC8V2
— Noun Cats (@NounCats) February 17, 2022
「Noun Cats」の注目ポイント
執筆時点ではまだ情報の少ない「Noun Cats」ですが、本プロジェクトの注目ポイントについて紹介・解説していきたいと思います。
CC0(パブリックドメイン)
CC0ライセンスであることは、
- memeが活発になる
- コピーが多く作られオリジナルの価値が高まる
- 実質オリジナルの広告をユーザーが勝手におこなってくれている
- 著作権などの法的コストを大幅に削減できる
など、個人的にもメリットが大きいと感じていて、特にコレクタブル系NFTプロジェクトにとって大きな追い風となると期待されます。
とはいえ、あくまで現時点で「CC0×NFT」は実験段階のフェーズであることには留意が必要です。
CC0は4翻なので満貫スタートです🀄️
— でりおてんちょー|derio (@yutakandori) January 15, 2022
新しい試みに前向きな運営チーム
ロードマップを見ればお分かりの通り、Noun Catsチームは他のプロジェクトがやっていることを真似することには興味がないそうです。
新しい試みをやりながら、コミュニティと一緒に「怪奇なインターネット」を作り上げたいという思いをもっているチームのように見受けられます。
そのため今後、思いもよらない施策・斬新な打ち手を出してくる可能性を秘めており、個人的にはその辺りの動きに期待しています。
ちなみに一例を紹介すると、allow listへアドレスを追加する工程については、コントラクトのソースコードやABIを公開してユーザーに関数を呼び出させる試みをしていました。
Let’s try something new.
— Noun Cats (@NounCats) January 21, 2022
Meet NounCaterpillar V1 🐛, a new way of doing an allow list.
Periodically this contract will add open spots.
Right now there are 10 open.
It only costs gas to put your address on it.
Here’s the contract.
Have fun!https://t.co/QyUVLua5rZ
空きスロット数を徐々に(10個, 25個ずつなど段階的に)増やしていくモデルを採用していたのですが、これにより競争意識が生まれ、ユーザーの興味を上手く惹きつけていたように感じました。
また、概要で述べた通りNoun Catsには「The Invisibles」「The Cats」の2種類のペアとなるNFTが存在し、それらを組み合わせることで新たなNoun Cats NFTをつくりあげるといった仕様になっています。
この条件を満たすためにユーザーは、Discordなどを通してペアとなるNFTを保有するNounterpartを探し、コミュニケーションを取っていく必要があります。
NFT同士をマージしていく試みは他にもいくつか存在しますが、特定のNFT同士をペアで組み合わせる必要がある点が、本プロジェクトのミソであると筆者は理解しています。
Discord運営に長けている
実は、立ち上げ〜プレセール日までの間はDiscordが常に開放状態にはなっておらず、時間制限が設けられるといった仕様になっていました。
Our discord has grown 54% in the last 24h
— Noun Cats (@NounCats) February 2, 2022
Get in before it closes tonighthttps://t.co/oTW89W09Mp pic.twitter.com/0XEVL7C0KG
この施策により、ユーザーとしては「早くDiscordに入っておかなければ」「とりあえず今のうちにDiscordに入っておこう」という心理がはたらくことが期待できますね。
If this tweet gets 50 RTs, we’ll open our Discord for 5 minutes
— Noun Cats (@NounCats) February 4, 2022
Twitterは多くの人にNFTプロジェクトを認知してもらうためのツールとして活用し、密なコミュニティ形成はDiscordでおこなうことは定石となりつつありますが、Noun Cats運営チームも当然そのことを理解していたでしょう。
ちなみに、Noun CatsはDiscord内にGiveawayBotを実装していて、
- TwitterでGiveawayをおこなうことを匂わせる
- Discordに誘導してその中でGiveawayをおこなう
という施策をおこなっています。
このように、『Twitterで獲得したユーザーをDiscordに流すところまで抜かりない』ところは、非常に参考になる点であると言えます。
ただし、あくまでこの施策は、需要が供給を上回っている・期待の声が大きいケースでのみ有効であり、知名度も注目度も低いプロジェクトが形だけ真似をしても逆効果な点には注意が必要であると、筆者は考えています。
Who can’t wait to mint to tomorrow?
— Noun Cats (@NounCats) February 16, 2022
🙋♂️
基本的にNFTプロジェクトは、大まかに
- コミュニティを形成する
- コミュニティの盛り上げに注力する
- NFTを販売する(販売前にコミュニティの熱量を見て価格など決定する)
- コミュニティとともにプロジェクトを進めていく
という流れが理想的かと思われますが、まさにNoun Catsはお手本通りの進め方になっていると感じます。
基本に忠実に、しかし他のNFTプロジェクトの真似事はせず斬新なスタイルをも模索していく姿勢は、筆者個人として非常に今後に期待できる運営チームなのではないかと思っている次第です。
Merkleツリーを活用
まず、『新しい試みに前向きな運営チーム』節で述べた通り、本プロジェクトではホワイトリストの代わりに「allow list」にアドレスを追加していくことで優先Mint権を与えています。
ここで、そのアドレスをallow listに追加する際に、Merkleツリーを使用することでコントラクトのデプロイコストなどを抑えたり、NFTのclaimがトラストレスかつ安価におこなえるよう工夫されています。
ちなみにNoun Catsでは、AZUKIプロジェクトが始めたことで話題のERC721A規格(Mint時におけるgas代を削減)は用いていないそうですが、これは監査のための時間を確保できないという理由からだそうです。
まとめ
本記事では、Noun Catsの概要、またその注目ポイントなどについて解説しました。
本記事が、Noun Catsの概要や、Nouns派生プロジェクト事例などについて知りたい方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。
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— でりおてんちょー|derio (@yutakandori) February 19, 2022
今回は、Nouns DAO×Cool Catsの派生マッシュアップNFTプロジェクト「Noun Cats 」について解説しました🐱
概要や注目ポイントを分かりやすく解説したので、ぜひご覧ください😸
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