Snoop Dogg氏がリリースした「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」の概要と、『音楽×NFT』として斬新かつ挑戦的である要素を分析

どうも、イーサリアムnavi運営のでりおてんちょーです。

今回は、先日Snoop Dogg氏がリリースした「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」について紹介・解説するとともに、今後「音楽×NFT」の成功モデルとして語られるのではないかと筆者が考えている像について、合わせて考察していきたいと思います。

前提として執筆時点では、視覚的なPFPコレクタブルNFTプロジェクトが一種の成功モデルをつかみつつある一方、聴覚的なコレクタブル音楽NFTプロジェクトはそこまで至っていない状況であるというのが、筆者の率直な所感です。

しかし、今回取り上げるSnoop Dogg氏がリリースした「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」のモデルは、「音楽×NFT」の分野に一石を投じるものになるのではないかと期待しています。

ということで本記事では、以下の構成で進めてまいります。

STEP
「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」の概要

まずは、先日Snoop Dogg氏がリリースした「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」について紹介・解説してまいります。

STEP
「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」の斬新かつ挑戦的である要素を分析

それを踏まえて、今後「音楽×NFT」の成功モデルとして語られるのではないかと筆者が考える像について、合わせて考察してまいります。

また、筆者自身「音楽×NFT」の成功モデルに対する見通しが定かでないこともあり、近頃はこちらの分野に力を入れてリサーチ・分析を進めている状況です。

でりおてんちょー

ぜひ、この分野でご活躍されている方や知見がある方は、お気軽にご連絡いただきディスカッションなどしていただけると、嬉しく存じます。

では少々前置きが長くなってしまいましたが、本記事が「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」の概要やそこから学べるポイント、「音楽×NFT」の可能性などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。

2022年3月14日追記:
SnoopDoggはDeathRowカタログのほとんどの作品をデジタルプラットフォームから削除し、NFTユニバースを優先する意向を示しました。

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目次

「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」の概要

出典:OpenSea

「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」は、2022年3月1日にHIPHOP界の大御所「Snoop Dogg」氏がリリース・発表したNFTコレクションです。

本NFTコレクションは、同氏が初めてOpenSea上でミックステープをドロップしたものであり、購入したNFTのデータに関しては自分の曲としてリミックス・マスタリングなど自由におこなって良いと発表されています。

また、「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」には

  • フルソングver
  • インストゥルメンタルver
  • アカペラver
  • フック&ビートver

の4種類に分割された音源データがNFTとしてリリースされており、アートワークはBored Ape Yacht ClubやDoodlesなど、既存のNFTコレクションのイラストが用いられています。

インストゥルメンタルというのは楽器のみの演奏のことで、例えば坂本龍一さんの『戦場のメリークリスマス』や、葉加瀬太郎さんの『情熱大陸』などをイメージしていただけると分かりやすいでしょう。
フックというのはサビにあたる部分であり、その部分とビート(トラック)のみを抽出したものです。

そして、各楽曲の歌詞には「OpenSea」「Bored Ape」などの単語も含まれており、さらにアートワークに用いられているNFTをイメージした曲になっているところも面白いポイントです。

執筆時点では合計26種類のNFTがOpenSea上で販売されており、その内訳は以下になります。

  1. High – Snoop Dogg (Full Song)
  2. High- Snoop Dogg (Acapella)
  3. High- Snoop Dogg (Hook and Beat Only)
  4. High- Snoop Dogg (instrumental)
  5. Wake up N Workout (Full Song) – Dr. Bombay (Snoop Dogg)
  6. Wake up N Workout (Instrumental) – Dr. Bombay (Snoop Dogg)
  7. My Ape – Champ Medici, October London, We$, Spottie WiFi
  8. My Ape-(Acapella) Champ Medici, October London, We$, Spottie WiFi
  9. Doggies Theme Song (Open-verse) – (Snoop Dogg) Prod. by Dr. Bombay
  10. Doggies Theme Song (Instrumental) – (Snoop Dogg) Prod. by Dr. Bombay
  11. Doggies Theme Song (Acapella) – (Snoop Dogg) Prod. by Dr. Bombay
  12. Personalized Voice Note from Doggie
  13. Personalized Dogg Voice Note #2
  14. Personalized Doggie Notes Part #3
  15. SupCuh- (Full Song) Prod by Snoop Dogg
  16. Dollaz (Full Song) – Champ Medici, PIECE, E-40
  17. Dollaz (Instrumental) – Champ Medici, PIECE, E-40
  18. Maccn while Craccn – Prod. by Snoop Dogg
  19. Just a Vibe (Full Song) – October London
  20. Just a Vibe (Acapella) – October London
  21. Half Steppin – Prod. By Don Cannon and Wiz Khalifa Ft. Snoop Dogg
  22. Champ Tha Great (Full Song) – Champ Medici Prod. by Obi Wan Kanobby
  23. Girls Love Snoop – by Jane Handcock and Prod. by Dr. Bombay
  24. Smoke tha Bored 8th – Champ Medici and October London
  25. Dippies Trip – Snoop Dogg + Champ Medici
  26. Respect my Mind – Timbaland and Snoop Dogg

執筆時点においては、これらのコレクションからは次々と新しい曲がリリースされ、販売され続けているという状況です。

当然、発行上限などはSnoop Dogg氏の匙加減に依存するため、この流れがいつまで続くのか、そして最終的に何曲がリリースされるのかは本人しか知り得ないところではあります。

また本プロジェクトは、NFTを購入した時点でその音楽の権利は購入者に渡ると標榜していますが、法的な拘束力はないとの指摘もあること、また執筆時点では「CC0」「CC BY-SA」などの表記もない点に関しては、留意しておく必要があるでしょう。

本NFTプロジェクトの斬新かつ挑戦的である要素を分析

では、本NFTプロジェクトのどのような点が斬新かつ挑戦的であるか、ここからは現実世界における『音楽×NFT』の現状を踏まえて、筆者の私見を交えた考察をおこなってまいります。

既存の多くの「音楽×NFT」モデルと逆の路線を走っている

出典:OpenSea

まず注目すべきポイントは、NFTのアートワークにオリジナルのものを用意せず、既存のNFTコレクションのものを使用しているところです。

執筆時点における音楽NFTプロジェクトは、

  • アートワークにレアリティ要素を設ける
  • Reveal要素を含める
  • NFT保有者にロイヤリティが支払われる

など、視覚的なコレクタブルNFT同様 / 音楽NFTならではの様々な試みをおこなうプロジェクトが多い中で、本プロジェクトはまったく逆の方向で攻めているところで、斬新性・独自性を感じました。

Snoop Dogg氏がこのような試みをおこなっている理由として考えられるのは、おそらく視覚的なコレクタブルNFTプロジェクトと同じ路線を走っていては厳しいという課題感を、同氏がもっているのではないかと筆者は考察しています。

そもそも歴史を振り返ると「音楽」というものは、表現が提供される形式によって直接的に形作られてきたという背景があります。

例えば、現代のストリーミング時代においてもアルバムの収録時間が40〜50分である大きな理由は、12インチ、33回転のビニールレコードが片面約22分、合計45分の音楽を収めることができたからであると言われています。

また、Spotifyのプレイリスト・アルゴリズムに採用されるよう、フック(サビ)を曲の序盤に移動させ、Spotifyのプレイリスト配列でスキップされてしまい優先順位が下がるリスクを低くするなど、曲の構成を調整していたりします。

他にも、TikTokを使った二次創作としてのユーザー生成コンテンツ文化が主流になってきたこともあり、15秒の範囲におさまるようにサビの長さを調整するなど、メディアの形式によって制作する音楽そのものを形作ると言われており、アーティストのクリエイティビティに直接的な影響を与えています。

では、NFTをメディアとして捉えたときに、どのように音楽を載せることができるのか。

これは執筆時点においてさまざまな議論がおこなわれたり施策が試されているフェーズであるという認識ですが、一つの答えとしては「オンチェーンで保持できるように単調な音だけを使用し、データ容量を少なくすること」が挙げられるでしょう。

この方向性で「音楽×NFT」の解を追い求めているプロジェクトとしては、「Arpeggi Studio」などが挙げられます。

Snoop Dogg氏も、この問いに対する答えを模索するために、今回のように音源データを4種類に分割してNFTとしてリリースしているのではないかと筆者は考察しています。

そして、NFT保有者に対してリミックスやマスタリングの権限を与え、コンポーザビリティを生み出す方向性でトライしたのではないでしょうか。

アートワークにこだわらず(ある意味こだわっているとも言えますが)、必要以上のユーティリティは提供せず、ミニマムかつある程度の完成度で余白を残した状態でリリースすることは、既存の多くの「音楽×NFT」モデルと逆の路線を走ることでもあり、注目に値するポイントではないかと筆者は感じました。

コンポーザビリティを高めようとする姿勢

Lootをはじめ、ボトムアップ型のNFTプロジェクトというものは、いかにそれを『人様に使ってもらうか』を意識して設計する必要があります。

その点において、「音楽×NFT」におけるボトムアップはどう実現しうるのか、筆者も長らく考え続けながらもなかなか明快な答えが見えない状態でした。

視覚的なPFPコレクタブルNFTであれば、単純明快かつ素材データをEthereumチェーン上に格納するいわゆる「フルオンチェーン」の実現も可能であり、よりコンポーザビリティを高めることができます。

これに対して、音楽NFTをはじめとする聴覚的なNFTの場合、MP3などそのままの素材形式ではEthereumチェーン上に書くことが現実的に難しく、またコンポーザビリティを高めるために素材を分割したとしても、視覚的なものとは異なりその確認(再生時間のため)に幾ばくかの時間を要してしまうという課題が残ります。

また、音符レベルまで分解してしまうと自由度が高すぎるため、「音楽としてどうなのか?」「ある程度の制約がない自由すぎるものは使われないのでは?」といった新たな課題を生み出してしまうと筆者は考えています。

この『ちょうど良い塩梅』を探し当てることが難しいとされていた音楽NFTですが、「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」の場合は、先述のとおり

  • フルソングver
  • インストゥルメンタルver
  • アカペラver
  • フック&ビートのみver

の4種類に分けられており、これは『ちょうど良い塩梅』にかなり近いモデルなのではないかと、筆者は感じています。

今後これらのNFTがどのように使われていくのか、またこの実験的なプロジェクトを改善しながら数ヶ月後には「音楽×NFT」の新たなモデルを同氏が打ち出してくれるのではないかと、密かに期待しています。

というのも、現時点における「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」には、いくつかの課題もあると筆者は考えています。

出典:OpenSea

例えば留意すべき点として、本NFTプロジェクトはOpenSeaのストアフロント(共用)コントラクトから作成されたNFTであり、

  • 購入されるまでは制作者によりメタデータの変更が可能
  • 楽曲データは現時点ではOpenSeaのサーバー上で管理されている
  • 独自コントラクトではなく共用コントラクト発行のNFT

であることの意味は理解しておく必要があるでしょう。

また、EthereumチェーンではなくPolygonチェーンで発行されたNFTであることも理解しておく必要があります。

補足:
本メディアのaboutページ、ならびに全記事の冒頭でも述べておりますが、本メディアで取り上げるプロジェクトは、投資観点からみると玉石混淆であることは間違いないため、投資目的として本メディアの記事を読まれることは推奨致しません。

あくまで、概念的に新しい試みのものや、技術・体系的に秀でているところがあるようなものの事例を学ぶことを目的にご覧いただけますと幸いです。

そしてそういった意味で、今回Snoop Dogg氏が世に打ち出した「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」は、『音楽×NFT』のかたちとして新しい且つ挑戦的なものであり、一見の価値があるというのが筆者の考えです。

まとめ

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でりおてんちょー

「地方創生×NFT」の取り組みとして非常にユニークで面白いと思います。


本記事では、「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」の概要、またその注目ポイントなどについて解説しました。

本記事がSnoop Dogg氏がリリースした「Dogg on it: Death Row Mixtape Vol. 1」の概要やそこから学べるポイント、「音楽×NFT」の可能性などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。

また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。

弊メディアでは、2022年上半期の注目プロジェクト(※個人的意見)の一つである「音楽×NFT」に関する情報については、引き続き最新情報やその動向を追いかけて皆様に情報をお届けしてまいりたいと思います。

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この記事を書いた人

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