「HyperLoot Card」の概要解説|CC0 NFTの発展可能性とボトムアップNFTのブランド創出について”庭師の仕事”をもとに考察

どうも、でりおてんちょーです。

今回は、HyperLootというCC0 NFTプロジェクトが発表した「HyperLoot Card」というプロダクトについて、紹介・解説していきたいと思います。

HyperLootというCC0 NFTプロジェクトについてご存知ない方は、以下の記事で詳しく概要などを解説しているので、先にこちらをご一読されることを推奨します。

さて、筆者は兼ねてより「ボトムアップアプローチによってNFTブランドを構築するためには、ちょうど良い自由度の設計が求められる」と主張してきました。

この設計は、拡張性と自由度の高さからCC0ライセンスとの相性が良さそうであると感じていましたが、この度HyperLootというCC0 NFTプロジェクトがそれを実現しようと試みており、非常に面白そうだったのでピックアップしようと考えました。

ということで今回は「HyperLoot Card」について取り上げていき、その概要や趣旨などを紐解いていくことで、その実態を理解していただくことを目的とします。

でははじめに、この記事の構成について説明します。

STEP
「ゲーム」についておさらい

まずは、そもそも「ゲーム」とは何なのかについて、HyperLoot Cardのwebサイトの文章を元に解説いたします。

STEP
HyperLoot Cardとは

続いて、「HyperLoot Card」の概要を中心に、誕生経緯やコンテストの情報などについて解説いたします。

STEP
筆者の考察・論考

最後に、HyperLoot Cardに対して筆者が期待する点や、ボトムアップアプローチにより創出されていくプロダクトの発展可能性などについて、私見を交えて考察してまいります。

本記事が、HyperLoot Cardの概要や注目ポイント、ボトムアップアプローチによるブランド創出などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

※本記事は特定のFT / NFTの購入を推奨するものではありません。あくまで勉強の一環としてご活用ください

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目次

「ゲーム」についておさらい

本項では、「ゲーム」とはそもそも何かを理解するために、以下のページを日本語訳してまいります。

原文:https://hyperlootproject.com/hyperloot-card/

ゲームとは

まずは一歩下がって、「ゲームとは一体何なのか」について考えてみる必要があります。

ゲームとは、楽しみや遊びのために(時には賭けのために)実行・使用される、あらゆる活動のことです。

すべてのゲームは、以下の要素により構成されています。

  • ルール
  • オブジェクト
  • ゴール
  • インタラクション

多くのゲームには、『プレイヤーが何を達成しなければならないか』という明確な目標があらかじめ設定されています。

これに対して昨今構築されているメタバースでは、『ユーザーが何を達成しなければならないか』という明確な目標を持ち合わせておらず、ただ友人と遊んだり、自分の土地に建物を建てたりすることができます。

分散型・タイムレス・拡張性のあるゲーム

ゲームに限って言えば、「分散型のゲーム」というのは拡張が容易です。

その結果としてゲームの拡張方法が無数に存在し、時代に左右されないゲームであり続けることが多いですが、まさにトランプの「ポーカー」「ラミー」は、その好例とも言えるでしょう。

トランプ

出典:hyperlootproject.com/hyperloot-card

トランプが発明されたのは紀元9世紀(1000年前)にまで遡ります。

昔のトランプは現在のような形ではなく、長い年月をかけて変化してきたのですが、トランプというコンセプト自体は現在まで残っています。

つまり、トランプ自体はプリミティブなものであり、拡張の余地があるように設計されているのです。

また、ポーカーが発明されたのは19世紀、つまりトランプが発明されてから10世紀後のことです。

ブラックジャックは1700年頃に発明され、ラミーは1900年頃に発明されました。

人々はトランプをゲームオブジェクトとして扱い、トランプを用いてどのように遊ぶかや、新しいルールを考え出してきました。

つまり、トランプの上に新しいルールを構築することで、新しいゲームが次々と発明されてきたのです。

当然ながら各ゲームのルールは、他のゲームとの関連や意味を持つ必要はありません。

チェスとチェッカー

出典:hyperlootproject.com/hyperloot-card

もう一つの例として、チェスとチェッカーが挙げられます。

チェスは8世紀に発明され、チェッカーは紀元前3000年から存在します。

チェスのルールは、これらの時代を通して進化してきました。

さらに、ある人々はチェスの上に、同じチェスのゲームオブジェクトを使って新しいルールを作り、さまざまなバリエーションのチェスを作り出しました。

同様に、チェッカーにもさまざまなバリエーションが考案されてきました。

囲碁

囲碁は紀元前2356年に中国で誕生し、今日でも有名なゲームです。

そして、今日に至るまでの時代を通して、多くの人が囲碁の上にさまざまなゲームを作り、新たな囲碁のバリエーションを生み出してきました。


これらの例を通して明らかなことは、ルールやゲームそのものは変更 / 適応されたり、新たに考案されたりすることがありますが、ゲームオブジェクト自体は変わらず存続し続けるということです。

ポーカーの人気がなくなっても、人々はブラックジャックをプレイし続けるでしょう。

ゲームは滅びるかもしれませんが、ゲームオブジェクトは生き続け、無限の可能性をもって使われ続けるのです。

チェスやチェッカー、トランプなどのゲームをなぜ「分散型」と呼ぶのかですか?

これは単純に、単一のエンティティがゲームの「ルール」「目標」などをコントロール / 定義していないからです。

チェスの駒やトランプを手に取り、異なるルールの新しいゲームを発明することは誰にでも可能です。

そして、新しく作られたゲームは、ポーカーやブラックジャックよりも有名になる可能性を帯びています。

チェスの駒やトランプの上に作られていくゲームは、もはや一人のクリエーターに縛られることはないのです。

見覚えはありませんか?Lootと同じようなコンセプトですね。

分散型の、時代を超えて拡張可能なゲームを作るには、まずルールではなく「ゲームオブジェクト」に注目する必要があります。

ゲームのルールは変わったり拡張したりしても、ゲームオブジェクト自体は生き残るはずだからです。

分散型で拡張可能なゲームとそうでないゲームの違い

①ライセンス

第一に、当然ですがライセンスです。

トランプ、チェス、チェッカー、囲碁などは、数千年前に発明されたものなので、CC0(パブリックドメイン)です。

これによって、子供も企業も含めて誰もがそれらを活用し、その上に何かを構築することができるのです。

個人・企業が著作権や法律を気にする必要がなくなれば、クリエイティビティは最大化されるでしょう。

出典:hyperlootproject.com/hyperloot-card

そもそも、自分が保有していない・あるいは権利を付与されていないゲームオブジェクトやIPの上に、何かを構築することはできません。

Angry Birds・Pokémon・Call of Duty・Warcraftのようなゲームの上にゲームを作ることは、単純にそのIPを保有していない故にできないのです。

これらのゲームの上に作品を制作するためにIPやライセンスを取得しようとすると、そのコストは膨大なものになってしまうため、例えば10歳の子供がそのようなゲームの上に何かを作ることはできないでしょう。

しかし、チェスやトランプなどの非中央集権的なゲームでは、そうはなりません。
誰でもチェスの上で新しいゲームを考え、作り出すことができるのです。

②ゲームオブジェクト

第二に、ゲームオブジェクトです。

分散型・拡張型のゲームを見てみると、これらのゲームのゲームオブジェクトは、すべてプリミティブで拡張可能な設計になっていることがわかります。

つまり、ゲームのルールがゲームオブジェクト自体に結びついたり、埋め込まれていたりすることはありません。

出典:hyperlootproject.com/hyperloot-card

もっとわかりやすく言うと以下です。

  • チェス
    => ナイトの動き方を示すルールは、ナイトの駒自体に埋め込まれたり指定されたりしていません。
  • トランプ
    => ポーカーのフルハウスのルールは、トランプ自体には書かれていません。
  • 囲碁
    => 白黒の石をどう置くかというルールは、石そのものには書かれていません。

お気づきの方もいらっしゃると思いますが、これらのゲームコンポーネントにはすべて、共通点が1つあります。

それは、各ゲームオブジェクトの区別です。

  • チェス
    => キング、ルーク、ビショップ、クイーン、ナイトと、各駒に6つの区別があります。
  • トランプ
    => 数値(A、2-10、J、Q、K)、色(赤、黒)、組(スペード、ハート、ダイヤ、クローバー)など多くの区別があります。
  • 囲碁
    => それぞれの駒には、黒と白の2つの区別があります。

さて、もう少し深く見ていくと、ゲーム対象が区別されればされるほど、ゲームの幅が広がっていくことがわかります。

白黒の石を使った囲碁の上に作られたゲームの数と、トランプの上に作られたゲームの数を比べてみると、トランプの上に作られたゲームの数の方が多いことがわかります。

つまり、ゲーム対象の区別が多ければ多いほどその上に構築できるゲームの種類も多くなるというのが、私たちの理論です。

出典:hyperlootproject.com/hyperloot-card

最後に、『遊戯王』や『ハースストーン』などのカードゲームについて見てみましょう。

このゲームオブジェクトはカードであり、全てのカードに対してルールが埋め込まれています。

つまり、遊戯王やハースストーンがライセンスを開放し、誰でもカードの上に何でも作れるようになると、遊戯王やハースストーンの上に作れるものの種類は限られてしまいます。

各カードがどのように使われるべきかというルールは、すでにゲームクリエイターという一人の存在によって決められているのです。

例えば、ドラゴンのカードは攻撃力が10で、ネコのカードは攻撃力が4です。

あらかじめ決められたルールは創造性を高めるための制限となってしまい、これらのタイプのゲームが分散化されない・拡張が容易でない理由です。

出典:hyperlootproject.com/hyperloot-card

一方、トランプやチェス、チェッカーは、ゲームオブジェクト自体にルールが埋め込まれていません。

そのため、コミュニティにはそれらを拡張する余白があり、制限なく自由に好きなものを作ることができるのです。

HyperLoot Cardとは

出典:hyperlootproject.com

背景・経緯

20022年3月29日に、Lootの製作者であるDom Hofmann氏が『分散型ゲームとはどのようなものか』についての考えをツイートしました。

上ツイートに記載の通り、Dom氏は「私が分散型ゲームについて考えるとき、チェッカー・チェス・囲碁・ポーカーなど、永遠に生き続けるがルールによって簡単に拡張でき、ゲームオブジェクト自体を無限に美しく作り変えることができるゲームを思い浮かべます。」と述べています。

HyperLootの運営チームは、HyperLootを活用することでdomのアイデアに近い分散型で拡張可能なゲームを構築することができると考え、HyperLoot Cardが誕生しました。

概要

出典:hyperlootproject.com

HyperLoot Cardは、「カードゲームとボードゲームを構築するための分散型アプローチ」であることを謳った、フィジカルアイテムのプロダクトです。

本プロダクトは、トランプやチェスの駒のように「カードそのものがプリミティブなレベルになるまでシンプル化すること」を試みた末に生まれたプロダクトとなっています。

出典:hyperlootproject.com

よって、以下の部分はコミュニティが担うことになる想定となっており、運営はゲームオブジェクトであるHyperLoot Cardを提供するだけであると主張しています。

  • 各カードがどのように使われるか
  • 各カードの強さや弱さなどのパラメータ
  • 各カードのルール

このカードを使ったカードゲーム・ボードゲーム・ブラウザゲーム・モバイルゲームなど、さまざまなコンテンツがコミュニティと一緒に作られていくことが期待されます。

なお、本プロダクトはオープンソース・CC0のカードとなっているため、すべてのカードは誰でも以下のリンクからダウンロード・閲覧することが可能です。


また、近いうちにフィジカルなHyperLoot Cardが、運営チームからリリースされる予定となっています。

出典:hyperlootproject.com

こちらの第一弾のパックは限定生産であり、非売品です。

フィジカルなHyperLoot Cardの第一弾は、HyperLootのNFTホルダーやサポーターにプレゼントされるそうです。

第一弾HyperLoot Cardのプレゼントの内訳は、以下の通りです。

  • HyperLootを最も多く獲得したホルダー上位10名
  • 上位11位から100位までのホルダーに15パックを抽選でプレゼント
  • その他のホルダーに50パックを抽選でプレゼント
  • カードコンテスト入賞者に6パック
  • チーム用に4パック
  • 15パックは、プレゼントイベントや、ご協力いただいた方々への贈り物に使用されます

※数は需要に応じて変更する可能性もあるそうです。

また、スナップショットと当選者の抽選はカードゲームデザインコンテスト(※後述)の終盤に行われる予定で、正確な日時はコンテスト開催の24時間前にDiscordとTwitterでお知らせされる予定です。

開催予定コンテスト情報

執筆時点(2022年5月13日)では、以下2つの賞金付きコンテストが開催される予定となっていますので、順にご紹介いたします。

  1. カードゲーム/ボードゲームのデザインコンテスト
  2. カードバック(裏面)アートコンテスト

① カードゲーム/ボードゲームのデザインコンテスト

出典:hyperlootproject.com

先述の通り、カードのデザインは既に提供されていますが、そこにはルールが必要です。

そこで、HyperLoot Cardを使ったゲームデザインを参加者から募る趣旨のコンテストが、近々開催されます。

サイコロを使ったボードゲーム・記憶ゲームのようなカードゲームなど、ルールが簡単なものから複雑なものまで何でもありで、ルール設計の制限はないそうです。

応募締切は2022年6月10日(金)となっていますが、応募数が少ない場合は変更する場合があるそうです。

報酬は以下の通りです。

  • 1位:3ETH + HyperLoot NFT 1個 + HyperLoot Card商品 1パック
  • 2位:1.5 ETH + HyperLoot NFT 1個 + HyperLoot Card商品 1パック
  • 3位:0.75 ETH + HyperLoot NFT 1個 + HyperLoot Card商品 1パック
  • 4位:HyperLoot NFT 1個 + HyperLoot Card商品 1パック
  • 5位:HyperLoot NFT 1個 + HyperLoot Card商品 1パック

コンテストの流れは以下の通りです。

  1. ・誰でも(ホルダーもそうでない人も)このカードを使って遊べるゲームのデザインを応募することが可能
    ・ゲームデザインは、テキストでも動画でも良し
    ・オンラインゲーム、オフラインゲーム、フィジカルゲームのいずれでも構わない
  2. 他の人とチームを組んでも良し、ソロでやっても良し
  3. 締め切りまでに、ゲームデザインをHyperLootのDiscordに投稿
  4. 締め切り後、HyperLootチームが優秀作品5点が選出される
  5. 選ばれた5つのゲームデザインは、HyperLootのホルダーによって投票が行われる予定(1 HyperLoot = 1票)
  6. 最も多くの票を獲得した作品が、コンテストの勝者となる

ゲームデザインが優れていて、それが実際の製品になる可能性がある場合には、HyperLootチームがそのアイデアを実現するための支援をおこなってくれるそうです。

② カードバック(裏面)アートコンテスト

出典:hyperlootproject.com

ゲームデザインが苦手という方は、同時開催される「HyperLoot Cardの裏面デザインコンテスト」もチェックしてみてください。

こちらは、NFTホルダー/非ホルダーを問わず、HyperLoot Cardの裏面デザインに協力してくれるアーティストを募集する趣旨のコンテストです。

出典:hyperlootproject.com

\ HyperLoot Cardバックのテンプレート /

絵の種類は問わないそうですが、アートファイルサイズは『2.5インチ×3.5インチ』という指定がなされています。

応募締切は、2022年5月30日(金)となっています。

報酬は以下の通りです。

  • 1位:0.5 ETH + HyperLoot NFT 1個 + HyperLoot Card商品 1パック
  • 2位:0.25 ETH + HyperLoot NFT 1個 + HyperLoot Card商品 1パック
  • 3位:0.1 ETH + HyperLoot NFT 1個 + HyperLoot Card商品 1パック

コンテストの流れは以下の通りです。

  1. HyperLoot Cardバックのアートは、誰でも(ホルダーもそうでない人も)応募可能
  2. ハッシュタグ「#hyperlootcard」をつけて、「@hyperloot_」をタグ付けして、Twitterで作成したデザインをツイート
  3. 締め切りまでにTwitterのリンクを、HyperLootのDiscordで送信
  4. 締め切り後、HyperLootチームが優秀作品3点が選出される
  5. 選ばれた3つのアートは、HyperLootのホルダーによって投票が行われる予定(1 HyperLoot = 1票)
  6. 最も多くの票を獲得した作品が、コンテストの勝者となる

受賞者のアートは、最終的な商品制作に使用する場合と使用しない場合があるそうです。

FAQ

出典:https://hyperlootproject.com/hyperloot-card/

HyperLoot Cardのライセンスはどのようになっていますか?

HyperLoot CardはCC0にて公開されています。
誰でも、HyperLoot Cardを好きなように使うことができます。

HyperLoot Cardを商業プロジェクトに使用できますか?

はい、できます。
HyperLoot Cardを印刷して、自分で販売することもできます。

HyperLoot Cardでできることに制限はありますか?

HyperLoot Cardの使い方は自由自在です。
カードに対して、体力や防御力をつけることも可能です。
また、カードにスキルを持たせたり、アートワークを変更したりすることもできます。
これらはHyperLootチームによる、HyperLoot Cardの拡張方法の一例です。

カードゲーム/ボードゲームデザインコンテストに、複数作品を応募することは可能ですか?

はい、ゲームデザインは何点でも応募可能です。
あらゆるアイデアやコンセプトを募集しています。

カードバックアートコンテストに複数の作品を応募することはできますか?

はい、アートデザインは何点でも応募可能です。
私たちは、最大限のクリエイティビティを求めています。

カードバックアートコンテストに応募した作品をNFTとしてmintすることはできますか?

はい!作品は何でもOKです。

ゲームデザインとは何ですか?何から始めればいいのでしょうか?

ゲームデザインについては、こちらで詳しく解説しています。
もし、これらのLootアイテムを使って何から始めたらいいかわからない場合は、Loot Foundationをチェックしてみてください。

筆者の考察・論考

HyperLoot Cardでは、運営が提供するものはあくまで「カードという素材だけ」であり、ルールを含め他の部分はコミュニティドリブンで構築するなど、コミュニティと運営が一緒になって構築していくスタイルを試みています。

このムーブメントは、Lootが提唱した『NFT×ボトムアップアプローチ」のそれと正に同じものであり、トップダウンを『デザイナー』のアプローチであるとするならば、ボトムアップとは『ガーデニング』のアプローチと表現できます。

左が従来のトップダウンNFTアプローチ・右がLootの提唱するボトムアップNFTアプローチ

ガーデニングをおこなう人の総称を「庭師(ガーデナー)」と呼びますが、庭師の成果物には「○○をおこなった結果、★★が完成した」という直感的な話ではおさまらない、予測不可能な自体の発生源が随所に散りばめられているのです。

つまり、ボトムアップは自然や物理学といった要素を多分に含んで物事が進んでいくため、庭師の役割は直接的な手を加えることではなく、良質なタネを植えてその周りを含めた環境整備と水やりをし続けることに特化されます。

植物と同じくCC0 NFTのデリバティブは、庭師の思惑から外れて自由または勝手に育っていくことが多々ありますが、これが時に多様性やインテリジェンスを生み出します。

この多様性・インテリジェンスのあるコンテンツを自由に創出するための土壌を整えているNFTプロジェクトの代表例が、NounsとLootだと筆者は考えています。

この現象を真に理解するために、筆者自身もNounsやLootのコミュニティで積極的に活動/交流をおこなったり、自身で「NounsDAO JAPAN」を立ち上げるなど、さまざまな試みの最中です。

そして、その道中で筆者が感じてることが、『活発なCC0munity(CC0 NFTのコミュニティ)では、アクティブユーザーが対象NFTを保有しているかどうかに関係なくエコシステムが育っていく』ということです。

一般的なNFTプロジェクトにおけるコミュニティは、自身が保有しているNFTの価値を高めたいというインセンティブが大きな要素となっている側面がありますが、CC0munityの場合は毛色が違うように感じます。

なぜCC0munityでこのような現象が起きているかというと、彼らはオリジナルプロジェクトの思想や価値観に共鳴し、楽しんでコミュニティと関わっているからです。

この「楽しむ」という行為は内発的動機にもとづくものであり、金銭などをインセンティブとする外発要因モデルよりもサステナビリティが高いのではないかと、筆者は考えています。

もちろん、他のCC0以外のNFTコミュニティでも楽しんで参加している方はたくさんいらっしゃいますが、その熱量をコンテンツに昇華する際に、(特にNFT非保有者に対して)ライセンスの問題がつきまといます。

この熱量を誰でも好きに(商用利用も含めて自由に)コンテンツとして昇華して良いというのが、昨今のCC0munityのスタイルであり、筆者はこのムーブメントに対して大きな可能性を感じている次第です。

ちなみに執筆時点では、NounsのNFTコレクションは305体しか発行されていないにもかかわらず、Nounsを使用/派生したプロジェクトは134個も存在します。

出典:nouns.center/projects

これらは、NFTを保有する人たちだけが創り上げてきたのでしょうか?

いいえ、違います。

実際、非NFT保有者が創り上げたものはたくさんありますし、中にはNounsDAO JAPANのメンバーが創出したものもいくつか存在します。

そして、この現象はLootの場合も同様で、BlitmapCrypToadzChain RunnersといったCC0munityでも観測される興味深い現象です。

出典:Twitter

そしてHyperLootは、Loot NFTプロジェクトの上に構築された「Layer2」を標榜するCC0 NFTプロジェクトですが、さらにその上にアプリケーション層「Layer3」として、さまざまなコンテンツを創出しようと試みています。

今回ご紹介したHyperLoot Cardはその内の一つであり、さらにHyperLoot Cardからも無数のプロジェクトがLayer4として創出されるように分割された素材提供までおこなっているのです。(ここ重要!)

今後は、Hyperloot NFTホルダー以外の人も含めて、HyperLoot Cardを使ったブロックチェーンゲームを構築したり、フィジカルアイテムを作成していくなど、さまざまな発展可能性が考えられるでしょう。

最後に念のため留意しておくと、これは手当たり次第にNFTをCC0にすれば上手く作用するという単純な話ではなく、いくつかの条件を満たしたNFTプロジェクトであれば、CC0にした方がエコシステム全体にとって得策となり得るという意味です。

ある条件とは、例えば「対象がcryptoの文脈で意義ある価値観を提唱するNFTプロジェクトであること」です。

そもそもこのムーブメントを支持する人々の意識として、Lootそのもののビジョンに共感していたり、cryptoネイティブなNFTプロジェクトとして矛盾のない点を評価していることなどは、大きな要素を占めているはずです。

そして、その上でネットワーク効果を促進するためにCC0要素をトッピングすることは、非常に効果的であると言えます。

これを踏まえて、CC0munityメンバーが活発に活動できるための土壌(Discord運営・素材提供など)を整備し続けることが、CC0munity運営チームには求められるでしょう。


他にも考えられる条件はたくさんあるのですが、考察・論考の項が長くなってしまったため、また別の機会に語らせていただければと思います。

「CC0×NFT」に興味がある方は、以下の記事も非常に参考になると思うので、ぜひ合わせてご覧ください。

まとめ

今回は、HyperLootというCC0 NFTプロジェクトが発表した「HyperLoot Card」というプロダクトについて紹介・解説しました。

本記事が、HyperLoot Cardの概要や注目ポイント、ボトムアップアプローチによるブランド創出などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。

また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。

HyperLoot NFT、ならびにHyperLoot Cardはまだ新しいプロジェクトではありますが、ネットワーク効果促進のためのエッセンスを多分に含んでいるものだと筆者は捉えています。

今後の動向を見守りつつ、さらなる発展に期待したいと思います。

最後に、HyperLootやHyperLoot Card・CC0munityなどについて

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この記事を書いた人

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