今回は、Ethereumチェーン上におけるオンチェーンアクティビティのためのインフラを標榜する「The Metagame」プロジェクトについて紹介・解説していきたいと思います。
執筆時点において、The Metagameは『フェーズ1』ということで、以下3つのプロジェクトが始動している状況です。
- Birthblock
- Token Garden
- Heartbeat
これらはいずれも、0.01ETH(+gas代)で誰でもMintすることができますが、一体そこにはどのような価値(≠価格)があるのか、そしてこれらのプロジェクトを通して「The Metagame」は何を表現・提唱しているのかについて解説したいと思います。
ということで今回は「The Metagame」から出ている3つのプロジェクトについて取り上げていき、その概要や趣旨、オンチェーンアクティビティの価値化などを紐解いていくことで、その実態を理解していただくことを目的とします。
でははじめに、この記事の構成について説明します。
まずは、Ethereumチェーン上のウォレットアドレスの『年齢』を、木や年輪といった表現方法で視覚化したNFTコレクション「Birthblock」の概要を解説しつつ、実際にMintする流れまで深掘りしてまいります。
続いて、自身がMintして得たNFTをもとに、3Dのお花畑がどんどん広がっていくというコンセプトのNFTコレクション「Token Garden」の概要を解説しつつ、実際にMintする流れまで深掘りしてまいります。
最後に、最新のオンチェーンアクティビティを元に毎日アップデートされる仕様の「Heartbeat」の概要を解説しつつ、実際にMintする流れまで深掘りしてまいります。
本記事が、The Metagameプロジェクトの概要や注目ポイント、オンチェーンアクティビティの価値化などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。
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Birthblockについて
概要
Birthblockは、2021年11月半ばにローンチ(スマートコントラクトがEthereumチェーンにデプロイ)された、ウォレットアドレスの『年齢』を木や年輪といった表現方法で視覚化したNFTコレクションです。
上画像のように、それぞれのNFTのアートワークにはウォレットアドレスごとの『年輪』が表現されており、年輪の色や大きさはウォレットアドレスの古さによって変化する仕様となっています。
年輪の他にも5つの輪がありますが、それぞれウォレットが生まれた月・日・時・分・秒を表現しており、時計やカレンダーのように木の周りに配置されています。
また、オンチェーンに記録されたデータ/アクティビティに応じてNFTの属性が獲得できるという点は、前回ご紹介したPhiプロジェクトとも似た性質を帯びていると言えるでしょう。
Birthblock NFTのアートワークに描かれている輪の数は、人工的に制限を加えられるものではなく、アドレスごとの『既存のオンチェーンデータ』によって特徴づけられる仕様であり、ウォレットが古ければ古いほど表示される年輪も大きくなります。
Ethereumチェーン上でトランザクション生成などを通して活動していた「来歴」が価値になるという思想を体現した、クリプトネイティブなプロジェクトであると筆者は感じます。
ちなみにEthereumブロックチェーンは、2015年7月30日にgenesis(最初の)ブロックが誕生しました。
そして、Birthblockコントラクトがデプロイされるまでの間に、約1,350万個のEthereumブロックが存在していました。
また、輪の色表現にはHSLカラーモデルを用いており、輪の数に基づいて
- 輪が0個の場合は0度
- 輪が135個の場合は360度
までカラーリングされるようになっています。
興味深いポイント
Birthblockがもち合わせている
- 古くからEthereumブロックチェーン上で活動していることを年輪によって視覚化する
- Ethereumブロックチェーン上での活動に応じて、NFTの属性が獲得できる
といった特性を生かした、新たなNFT体験を創出できる可能性があります。
というのも、本NFTの属性には「星座」「年輪の数」などさまざまなオンチェーンアクティビティでの指標を表す要素が含まれていますが、例えばそれらをDiscord内の特定のチャンネルにアクセスするためのPassとして活用することで、共通の経験を持つ人々をグループ化することができそうですね。
他にも、BirthblockのNFTをOpenSeaなどで一覧表示することによって、パッと見で早期参入者のウォレットアドレスを確認することができます。
早期参入の如何は一つの評価軸として機能するはずなので、何らかのイベントでのフィルタリング、またはクリプト企業での採用面接などに用いられる未来が訪れるかもしれませんね。
NFTのMint方法
まずはwebサイトから、「Connect Wallet」でMetaMaskなどのEthereumウォレットと接続します。
上画像のように「Mint」ボタンが表示されるようになるので、0.01ETH(+gas代)を支払ってNFTをMintします。
Mintに成功したら、上画像のように「View on Opensea」と表示されるので、クリックしてNFTを確認してみます。
今回使用したウォレットアドレスはまだ作成したばかりのため、年輪は非常に小さく表示されています。
Token Gardenについて
概要
Token Gardenは、自身がMintして得たNFTコレクション群をもとに、3Dのお花畑がどんどん広がっていくというコンセプトのNFTです。
こちらは、先程の「Birthblock」に続くThe Metagameプロジェクトの第2弾作であり、2021年12月末にローンチ(スマートコントラクトがEthereumチェーンにデプロイ)されました。
庭に咲く花の数・大きさ・色は、ウォレットアドレスごとの『既存のオンチェーンデータ』を元にして特徴づけられます。
本プロジェクトのミソは、OpenSeaなどの二次流通マーケットから購入したNFTではなく、自身で直接MintしたNFTを元にアートワークや属性が特徴づけられるという点にあります。
つまりToken Gardenでは、何らかのNFTをMintするたびにアートワークの庭の花が芽を出し、大きく育っていくのです。
この『アドレスを育てる』という概念は、NFTの来歴に価値があることを視覚化した本プロジェクトならではの特徴であると言えるでしょう。
NFTのMint方法
まずはwebサイトから、「Connect Wallet」でMetaMaskなどのEthereumウォレットと接続します。
上画像のように「Mint」ボタンが表示されるようになるので、0.01ETH(+gas代)を支払ってNFTをMintします。
Mintに成功したら、上画像のように「View your Garden」と表示されるので、クリックしてNFTを確認してみます。
今回使用したウォレットアドレスはまだ作成したばかりのため、花は3つしか表示されていません。
上写真では、OpenSeaを見て花の数が多かったアートワークをピックアップしてみました。
Heartbeatについて
概要
Heartbeatは、先程までの「Birthblock」「Token Garden」に続くThe Metagameプロジェクトの第3弾作であり、2022年1月末にローンチ(スマートコントラクトがEthereumチェーンにデプロイ)されました。
heartbeatは、「オンチェーンアクティビティに基づいた鼓動する心臓」を表現したNFTコレクションです。
自身の保有するheartbeatは、最新のオンチェーンアクティビティを元に毎日アップデートされる仕様となっているそうですが、詳しい仕組み部分はよく公開されてません。
もしかすると、このあたりのロジックを自身で解明していくことを、遊びの余白として残しつつ提供しているのかもしれません。
レイヤー・速度・色・スパイク波形をアップデートするために、どのようなアクティビティをおこなえば良いのか。これについて考え行動することも醍醐味なのかもしれませんが、執筆時点ではその真意は不明です。
また、オンチェーンアクティビティのトラッキングはマルチチェーン対応がなされており、執筆時点ではEthereum, Polygon, Fantom, Avalancheの4チェーン間でのアクティビティが追跡されるとのことです。
Avalanche has been temporarily disabled because @SnowTraceHQ went down at some point 😅 and I haven’t reenabled it
— Metagame (@The_Metagame) May 23, 2022
NFTのMint方法
まずはwebサイトから、「Connect Wallet」でMetaMaskなどのEthereumウォレットと接続します。
上画像のように「Mint」ボタンが表示されるようになるので、0.01ETH(+gas代)を支払ってNFTをMintします。
Mintに成功したら、上画像のように「View your Heartbeat」と表示されるので、クリックしてNFTを確認してみます。
筆者の場合は、上画像のようなNFTがmintされました。
また、Ethereum, Polygon, Fantom, Avalancheの4チェーン間でのアクティビティが追跡されるそうなので、筆者自身いろいろトランザクションを生成したりしつつ、今後のアップデートの様子を見守っていきたいと思います。
まとめ
今回は、「The Metagame」から出ている3つのプロジェクトについて取り上げていき、その概要や趣旨、オンチェーンアクティビティの価値化などについて紹介・解説しました。
本記事が、The Metagameプロジェクトの概要や注目ポイント、オンチェーンアクティビティの価値化などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。
また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。
🆕記事をアップしました🆕
— イーサリアムnavi (@ethereumnavi) May 20, 2022
今回は、オンチェーンアクティビティを視覚化する新進気鋭なNFTプロジェクト「The Metagame」について書きました✍️
『来歴(トランザクション)の価値や重要性』をアートワークとして表現するという試みであり、今後の展開にも要注目です⛓https://t.co/zgQk7Gs2Ua
今回ご紹介した3つのプロジェクトは、画像生成およびその処理内容に関してはオフチェーンでおこなっていると思われるため、個人的にはその部分までpublicになっていると良いなと感じました。
しかし、これに関しては筆者の理解不足の可能性もあるかもしれないので、もしソースコードから読み取れる方がいらっしゃれば教えて頂けると幸いです。
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