「The Metagame」の概要解説|オンチェーンアクティビティを視覚化する新進気鋭な3つのNFTプロジェクト【Birthblock】【Token Garden】【Heartbeat】

どうも、イーサリアムnavi運営のでりおてんちょーです。

イーサリアムnaviでは、毎日大量に流れてくるクリプトニュースを調査し、その中でも面白いトピックやクリプトネイティブな題材を選び出し、それを分かりやすく読みやすい形でお伝えしています。パラパラと内容を眺めているだけでも、事業やリサーチの新たなヒントに繋がることがあります。世界の最先端では、どのようなクリプトコアな試みが行われているのかを認識するだけでも、 思わず狭くなりがちな視野を広げてくれるでしょう。

今回は、Ethereumチェーン上におけるオンチェーンアクティビティのためのインフラを標榜する「The Metagame」プロジェクトについて紹介・解説していきたいと思います。

出典:themetagame.xyz

執筆時点において、The Metagameは『フェーズ1』ということで、以下3つのプロジェクトが始動している状況です。

  1. Birthblock
  2. Token Garden
  3. Heartbeat

これらはいずれも、0.01ETH(+gas代)で誰でもMintすることができますが、一体そこにはどのような価値(≠価格)があるのか、そしてこれらのプロジェクトを通して「The Metagame」は何を表現・提唱しているのかについて解説したいと思います。

ということで今回は「The Metagame」から出ている3つのプロジェクトについて取り上げていき、その概要や趣旨、オンチェーンアクティビティの価値化などを紐解いていくことで、その実態を理解していただくことを目的とします。

でははじめに、この記事の構成について説明します。

STEP
Birthblockについて

まずは、Ethereumチェーン上のウォレットアドレスの『年齢』を、木や年輪といった表現方法で視覚化したNFTコレクション「Birthblock」の概要を解説しつつ、実際にMintする流れまで深掘りしてまいります。

STEP
Token Gardenについて

続いて、自身がMintして得たNFTをもとに、3Dのお花畑がどんどん広がっていくというコンセプトのNFTコレクション「Token Garden」の概要を解説しつつ、実際にMintする流れまで深掘りしてまいります。

STEP
Heartbeatについて

最後に、最新のオンチェーンアクティビティを元に毎日アップデートされる仕様の「Heartbeat」の概要を解説しつつ、実際にMintする流れまで深掘りしてまいります。

本記事が、The Metagameプロジェクトの概要や注目ポイント、オンチェーンアクティビティの価値化などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。

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目次

Birthblockについて

出典:birthblock.art

概要

出典:OpenSea

Birthblockは、2021年11月半ばにローンチ(スマートコントラクトがEthereumチェーンにデプロイ)された、ウォレットアドレスの『年齢』を木や年輪といった表現方法で視覚化したNFTコレクションです。

上画像のように、それぞれのNFTのアートワークにはウォレットアドレスごとの『年輪』が表現されており、年輪の色や大きさはウォレットアドレスの古さによって変化する仕様となっています。

出典:OpenSea

年輪の他にも5つの輪がありますが、それぞれウォレットが生まれた月・日・時・分・秒を表現しており、時計やカレンダーのように木の周りに配置されています。

また、オンチェーンに記録されたデータ/アクティビティに応じてNFTの属性が獲得できるという点は、前回ご紹介したPhiプロジェクトとも似た性質を帯びていると言えるでしょう。

Birthblock NFTのアートワークに描かれている輪の数は、人工的に制限を加えられるものではなく、アドレスごとの『既存のオンチェーンデータ』によって特徴づけられる仕様であり、ウォレットが古ければ古いほど表示される年輪も大きくなります。

Ethereumチェーン上でトランザクション生成などを通して活動していた「来歴」が価値になるという思想を体現した、クリプトネイティブなプロジェクトであると筆者は感じます。

Birthblockは、オンチェーンアクティビティや来歴の重要性をアートワークによって視覚化したNFTコレクションであり、昨今のPFPブームへのカウンターカルチャー的位置付けとしても非常に趣深い試みです。


ちなみにEthereumブロックチェーンは、2015年7月30日にgenesis(最初の)ブロックが誕生しました。

そして、Birthblockコントラクトがデプロイされるまでの間に、約1,350万個のEthereumブロックが存在していました。

出典:OpenSea

そのため、各NFTアートワークに表現されている「年輪」は、100kブロックごとに一輪ずつ生成されるようになっており、最も大きいものでは135個もの年輪をもっています。

出典:カラーモデルの変換

また、輪の色表現にはHSLカラーモデルを用いており、輪の数に基づいて

  • 輪が0個の場合は0度
  • 輪が135個の場合は360度

までカラーリングされるようになっています。

興味深いポイント

Birthblockがもち合わせている

  • 古くからEthereumブロックチェーン上で活動していることを年輪によって視覚化する
  • Ethereumブロックチェーン上での活動に応じて、NFTの属性が獲得できる

といった特性を生かした、新たなNFT体験を創出できる可能性があります。

というのも、本NFTの属性には「星座」「年輪の数」などさまざまなオンチェーンアクティビティでの指標を表す要素が含まれていますが、例えばそれらをDiscord内の特定のチャンネルにアクセスするためのPassとして活用することで、共通の経験を持つ人々をグループ化することができそうですね。

自分と同じ日にウォレットアドレスを作成した人や、同じ星座をもつ人同士を繋ぎ合わせるなど、マッチングにおける条件としても使えそうです。

他にも、BirthblockのNFTをOpenSeaなどで一覧表示することによって、パッと見で早期参入者のウォレットアドレスを確認することができます。

早期参入の如何は一つの評価軸として機能するはずなので、何らかのイベントでのフィルタリング、またはクリプト企業での採用面接などに用いられる未来が訪れるかもしれませんね。

NFTのMint方法

出典:birthblock.art

まずはwebサイトから、「Connect Wallet」でMetaMaskなどのEthereumウォレットと接続します。

出典:birthblock.art

上画像のように「Mint」ボタンが表示されるようになるので、0.01ETH(+gas代)を支払ってNFTをMintします。

出典:birthblock.art

Mintに成功したら、上画像のように「View on Opensea」と表示されるので、クリックしてNFTを確認してみます。

出典:OpenSea

今回使用したウォレットアドレスはまだ作成したばかりのため、年輪は非常に小さく表示されています。

年季の入ったウォレットアドレスであれば年輪も大きく表示されるので、昔からEthereumブロックチェーンを触っていたという方はぜひ試してみてください。

Token Gardenについて

出典:tokengarden.art

概要

Token Gardenは、自身がMintして得たNFTコレクション群をもとに、3Dのお花畑がどんどん広がっていくというコンセプトのNFTです。

こちらは、先程の「Birthblock」に続くThe Metagameプロジェクトの第2弾作であり、2021年12月末にローンチ(スマートコントラクトがEthereumチェーンにデプロイ)されました。

出典:OpenSea

庭に咲く花の数・大きさ・色は、ウォレットアドレスごとの『既存のオンチェーンデータ』を元にして特徴づけられます。

本プロジェクトのミソは、OpenSeaなどの二次流通マーケットから購入したNFTではなく、自身で直接MintしたNFTを元にアートワークや属性が特徴づけられるという点にあります。

つまりToken Gardenでは、何らかのNFTをMintするたびにアートワークの庭の花が芽を出し、大きく育っていくのです。

この『アドレスを育てる』という概念は、NFTの来歴に価値があることを視覚化した本プロジェクトならではの特徴であると言えるでしょう。

NFTのMint方法

出典:tokengarden.art

まずはwebサイトから、「Connect Wallet」でMetaMaskなどのEthereumウォレットと接続します。

出典:tokengarden.art

上画像のように「Mint」ボタンが表示されるようになるので、0.01ETH(+gas代)を支払ってNFTをMintします。

出典:tokengarden.art

Mintに成功したら、上画像のように「View your Garden」と表示されるので、クリックしてNFTを確認してみます。

今回使用したウォレットアドレスはまだ作成したばかりのため、花は3つしか表示されていません。

出典:OpenSea

上写真では、OpenSeaを見て花の数が多かったアートワークをピックアップしてみました。

Propertiesに記載されている通り、LootやPOAPのNFT保有、総NFT保有数などに応じて花の数・大きさ・色が決まるみたいなので、クリプトネイティブなプロジェクトをたくさん触ったアカウントがある方はぜひ試してみてください。

Heartbeatについて

出典:heartbeat.themetagame.xyz

概要

出典:OpenSea

Heartbeatは、先程までの「Birthblock」「Token Garden」に続くThe Metagameプロジェクトの第3弾作であり、2022年1月末にローンチ(スマートコントラクトがEthereumチェーンにデプロイ)されました。

heartbeatは、「オンチェーンアクティビティに基づいた鼓動する心臓」を表現したNFTコレクションです。

自身の保有するheartbeatは、最新のオンチェーンアクティビティを元に毎日アップデートされる仕様となっているそうですが、詳しい仕組み部分はよく公開されてません。

もしかすると、このあたりのロジックを自身で解明していくことを、遊びの余白として残しつつ提供しているのかもしれません。

レイヤー・速度・色・スパイク波形をアップデートするために、どのようなアクティビティをおこなえば良いのか。これについて考え行動することも醍醐味なのかもしれませんが、執筆時点ではその真意は不明です。

また、オンチェーンアクティビティのトラッキングはマルチチェーン対応がなされており、執筆時点ではEthereum, Polygon, Fantom, Avalancheの4チェーン間でのアクティビティが追跡されるとのことです。

2022年5月24日追記:
現時点では、不具合によりAvalancheのトランザクションは取得停止しているそうです。

NFTのMint方法

出典:heartbeat.themetagame.xyz

まずはwebサイトから、「Connect Wallet」でMetaMaskなどのEthereumウォレットと接続します。

出典:heartbeat.themetagame.xyz

上画像のように「Mint」ボタンが表示されるようになるので、0.01ETH(+gas代)を支払ってNFTをMintします。

出典:heartbeat.themetagame.xyz

Mintに成功したら、上画像のように「View your Heartbeat」と表示されるので、クリックしてNFTを確認してみます。

出典:heartbeat.themetagame.xyz

筆者の場合は、上画像のようなNFTがmintされました。

こちらは、webサイトやOpenSea上で操作ができるインタラクティブNFTとなっているので、マウスクリックで動かしたりして遊んでみてください。

また、Ethereum, Polygon, Fantom, Avalancheの4チェーン間でのアクティビティが追跡されるそうなので、筆者自身いろいろトランザクションを生成したりしつつ、今後のアップデートの様子を見守っていきたいと思います。

まとめ

今回は、「The Metagame」から出ている3つのプロジェクトについて取り上げていき、その概要や趣旨、オンチェーンアクティビティの価値化などについて紹介・解説しました。

本記事が、The Metagameプロジェクトの概要や注目ポイント、オンチェーンアクティビティの価値化などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。

また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。

今回ご紹介した3つのプロジェクトは、画像生成およびその処理内容に関してはオフチェーンでおこなっていると思われるため、個人的にはその部分までpublicになっていると良いなと感じました。

しかし、これに関しては筆者の理解不足の可能性もあるかもしれないので、もしソースコードから読み取れる方がいらっしゃれば教えて頂けると幸いです。

2022年5月20日追記:
本記事を読んでくださった方が、イーサリアムnaviのDiscordで以下のように言われており、確かにその通りだと思いました。
オフチェーンの画像更新の仕組みが止まってしまう可能性を考えると、永続性があるわけではない。運営は頑張って続けてほしいです。
この点は、NFTのmintを検討される際には、改めて懸念事項として留意しておくと良いと思います。

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