今回は、Lootから派生したNFTプロジェクトの一つであるRealms 、ならびにチームプロジェクトである「Bibliotheca」の概要やロードマップなどについて、掘り下げて紹介・解説していきたいと思います。
本記事の内容を理解するにあたり、大元となるNFTプロジェクトLoot(for Adventurers)について知っておくことが望ましいです。
まだLootについてよく分かっていないという方は、ぜひ以下の記事をご参考ください。
さて、今回紹介するLootverseプロジェクト・チームであるRealms・Bibliotheca・Realms×Bibliothecaについて、先に要点だけ簡単にまとめておきます。
- Realms
-
Lootverseにおける「マップ・土地・資源」などを表したNFTプロジェクト
- Bibliotheca
-
Lootverseのグラフとインターフェイス、またLootverseのコミュニティプロジェクトを簡単に組み込めるようにするためのフレームワークなどを構築しているプロジェクト
- Realms×Bibliotheca
-
Realmsを用いたPlay-to-Earn(以下P2E)ゲーム、また同時にERC20トークンなどを用いてRealmverseをつくろうとするプロジェクトチーム
2022年はLootverseが流行るのではないかと個人的に期待しており、またRealmsはその基盤となるポテンシャルをもったNFTプロジェクトであることから、要点だけでも押さえておいて損はないかと考えています。
でははじめに、この記事の構成について説明します。
まずはRealmsがどのようなNFTプロジェクトなのか、概要や用途などについて解説いたします。
次に、Realmsを語る上で欠かせないチームプロジェクトであるBibliothecaについて解説いたします。
最後に、Realmsが今後どのようにLootverseで使われるようになっていくのか、Realms×Bibliothecaの事例の一つである「Settling of the Realms」を紹介するとともに理解していただくことを目指します。
本記事が、Lootの派生プロジェクトである「Realms」「Bibliotheca」の概要、およびSettling of the Realmsプロジェクトなどについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。
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Realmsとは?
概要
Realmsは、Lootverseにおける神話的なマップを表した、SVG形式のCC0 NFTコレクションです。
「Realm」という単語には、領域/場/国土などの意味があります。
Loot IDごとに1つずつRealmsNFTが生成されており、総発行数はLootと同じく8,000個になります。
また各RealmのTraits(属性値)には、そのRealm内にある
- Cities(都市)
- Harbours(港)
- Regions(地域)
- Rivers(河川)
の数が表示されています。
さらに各Realmに備えられた特徴として、以下のようなものが挙げられます。
- Resources(資源)が眠っている
- 限定品「Wonders」が存在するレアなものがある(8,000個中50個存在)
- それぞれが16のLootの勲章(Order)のいずれかに属している
入手経路
執筆時点では既にすべてのRealmsがmint済みとなっているので、OpenSeaなど二次流通マーケットなどを通して手に入れる必要があります。
Etherscanからコントラクトのソースコードを確認するなどして調べたところ、mint価格および販売当時の流れは以下のようになっていました。
- まずプライベートセールがおこなわれ、Loot保有者は優先的かつ0.03ETHでmintできた
- その次にパブリックセールがおこなわれ、残ったRealmsを0.15ETHでmintできた
執筆時点でのfloor priceは0.7ETHとなっているので、現時点だけで見ると一次セールで購入した人は、ステーキング報酬も加えると大幅にプラスになっていると考えられます。
Lootverseでの用途
先の概要で説明した通り、RealmsはLootverseにおけるマップであり、各Realmにはさまざまな資源が眠っていたり、16のLootの勲章のいずれかに属しているなどの特徴をもっています。
では、これらRealmsは実際どのようにLootverseで使われるのかについて紐解いていきたいと思います。
まず改めて、8,000個のRealmsは、それぞれ以下のようなユニークなプロパティを有したマップNFTです。
このように、RealmsはLootの最初の派生品の一つであるとともに、functional metaverse(汎関数でつくられた仮想世界)の基盤に根本的に必要な、多くの要素を兼ね備えています。
この後紹介するBibliothecaは、generativeアートの素晴らしい作品を含めたこれらのRealmsという基盤を用いてコラボプロジェクトを開発しています。
Bibliothecaとは
Bibliothecaは、Lootverseプロジェクトの開発者/ユーザー/NFT保有者に対して、Lootメタバースのグラフとインターフェイスを提供するプロジェクトです。
Lootの派生プロジェクトがコミュニティの力によって次々と生み出されていきますが、それは良いことでもある一方で、ユーザーからすると混沌とした世界にも見えてしまうことも事実です。
Bibliothecaは、この問題を解決するための体験ツールのレイヤーを提供しています。
執筆時点では、コミュニティが投票した
- Loot
- mLoot(More Loot)
- Realms
- Genesis Adventurers
- Genesis Mana
の5つのLootverseプロジェクトを統合しており、アセット保有者はダッシュボードで上記プロジェクトのbalance(残高)などを確認できるようになっています。
Webサイト上では、コミュニティプロジェクトがグラフ化されているので、Lootverseの中における自分の状況などを確認することができます。
また、Bibliothecaの設立以来Lootverseのビジョンは一元的に統一されたため、『Loot (for Adventurers) の派生品内、もしくはその枠を超えるほどのポテンシャルをもったメタバースとなった』と標榜しています。
Realms×Bibliothecaのコラボプロジェクト「Settling of the Realms」
前提
結局のところ、土地を探検することなくして冒険はありえないことから、メタバースにおいてRealmsは重要な要素であるとBibliothecaチームは考えていました。
しかし、次々と出てくるLoot派生品をつなぎ合わせていく「接着剤」のようなものが必要であると課題を感じ、Bibliothecaはまず先に述べたようなプロジェクトを進めています。
また同時に、Realmsとのコラボをいくつか示しており、その代表的な一つが「Settling of the Realms」プロジェクトです。
概要
「Settling of the Realms」は、zk-STARKsの上で稼働するオープンソースMMOCCG(※)です。
彼らは「Settling of the Realms」はじめ今後StarkNet上で様々なことを展開しようとしていて、そこで$LORDSというユーティリティトークンが使用されるのですが、それはRealmsのNFTをステーキングすることで獲得できるという構図です。
「Settling of the Realms」プロジェクトでおこなえる、ザックリとした一連の流れは以下です。
- Realmsをステーキングする
- $LORDS(ERC-20)と資源(ERC-1155)が生成される
- 資源を消費して生産物や建物をアップグレードできる
このRealmsステークを通して生成されたERC-20,ERC-1155トークンを用いて、今後
- $LORDSを通貨として使用した、資源を取引するためのマーケットプレイス
- 1vs1の資源強奪、複数のRealmsが参加する戦争などができるPvPコントラクト
などにも着手していく予定となっていますが、このあたりは『ロードマップ』の節で解説します。
まずは、Realmsをステークすることでトークンを報酬として受け取ることが可能になり、そのトークン群を用いていろいろなユーティリティを享受できる世界をつくろうとしているプロジェクトだと理解しておきましょう。
ステーキング
こちらのページからRealmsNFTをステーキングすることで、$LOADSというERC-20トークンを獲得することが可能になります。
$LORDSは先で述べたように、StarkNet上のマーケットプレイスで取引を行うために使用されるなど、Realmsverseのユーティリティトークンです。
ちなみにStarkNet上では、今後
- Realmsを取引するためのネイティブなマーケットプレイス
- 生成された資源を取引するためのAMM(Uniswapスタイル)
などがつくられる予定となっています。
また、1Realmをステークすると、1エポック(7日間)につき625$LORDS(執筆時点では$200ほど)が報酬として与えられます。
報酬を得るためには、1つのエポック全体にわたってRealmsNFTをステークしておく必要があります。
さらに、執筆時点では「Total Realms Staked 5299/8000」となっており、RealmsNFT保有者の約66%が既にステーキングをおこなっていることが分かります。
ステーキングコントラクトアドレスにNFTが一極集中していることで、上写真のようにownersの数がitemsの数に対して、極端に少なくなってしまいます。
この「owners 1.1K」という見かけの情報だけを見て、『特定のアカウントがNFTを大量保有していて分散性に欠けている』とは判断できないことには留意が必要です。
ロードマップ
以下、2021年11月から2022年Q2まで、さらにその先のロードマップとなります。
- 2021年12月 Starknetブリッジとステーキング
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まずは、レイヤー2ネットワークであるStarknetへのブリッジから着手されます。
初期のRealm保有者に報いるために、保有者が収入を得ることができる共同ステーキングコントラクトが構築されています。Starknetが稼動すると、Realmsは自動的にStarknet上で交換できるようになり、その後2022Q2にはL1とL2の間で自由に取引することができるようになる予定です。
- 2022年Q2初期 Starknet αのミニゲーム
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Starknet αで、ミニタワーディフェンスゲームをリリース予定です。
これは全てオンチェーンでの体験となり、プレイには$LORDSが必要となります。 - 2022年Q2 Starknetブリッジ
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これにより、プレイヤーはL1とL2の間で自分のRealmsを行き来できるようになります。
- 2022年Q2 Starknetトレーディング広場 – $LORDSを利用したNFTマーケットプレイス
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Starknetネイティブの$LORDS建てNFTマーケットプレイスを設計・構築中です。
このマーケットプレイスでの取引はすべて$LORDSを通貨として使用します。なお取引手数料の一部は、Bibliotheca DAOに直接流れます。
- 2022年Q2 Starknetに定住 – Realmsをステークして$LORDSと資源を獲得
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プレイヤーはStarknetをRealmsに定住させ、資源と$LORDSを獲得することができるようになります。
- 2022年Q2 資源AMM(Resources Automated Market Maker)
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資源AMMは、Adventurersがアップグレードに必要な木材、ダイヤモンド、ドラゴンハイドなどの素材を取引するために必要な機能を提供します。
- 2022年Q2 PvPコントラクト
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他のadventurersのRealmsを襲撃して資源を獲得したり、Loot派生品を使った独創的なPvPを体験できます。
- 将来 Realmverseエコノミー
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Starknetエコシステムが繁栄すれば、より多くの機能とアプリ間の互換性が生まれます。
そのためには、コミュニティの関与が必要です。私たちは、100万人以上のプレイヤーが協力して、機能するオンチェーンエコノミーを構築することを想定しています。
全体的な方針としては、StarknetというL2での開発に注力しており、最終的にRealmsのNFTを起点としたL2でのRealmverse経済圏の構築に取り組んでいく予定になっています。
また、Realmsのステーキング報酬として得られる$LORDS(ERC-20)・資源(ERC-1155)のユーティリティも増やしていく方向性で、上手くいけばRealmsはLootverseで欠かせない基盤NFTとなるポテンシャルを秘めているのではないかと感じました。
まとめ
本記事では、RealmsならびにBibliothecaの概要、またその代表的なコラボプロジェクト「Settling of the Realms」などについて解説しました。
本記事が、Lootの活用事例の一つであるRealmsやBibliothecaの概要、またSettling of the Realmsなどについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。
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— でりおてんちょー|derio (@yutakandori) January 3, 2022
今回は、Lootverseにおける
✅マップ
✅土地
✅資源
などを表したNFTプロジェクトについて解説しました📝
zk-STARKs 上で開発中の『オンチェーンコンポーザブルゲーム』 にも注目🔥
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