ローンチから20日で売り上げ1,000ETH突破|サブDAOのモデルケースにもなり得る「Lil Nouns」の概要ならびに今後の可能性について考察

どうも、イーサリアムnavi運営のでりおてんちょーです。

今回は、ローンチから20日以内という超短期間でオークションセールによる売り上げ1,000ETH突破を成し遂げた「Lil Nouns」について紹介・解説していきたいと思います。

NounsというNFTやNousDAOについてご存知ない方は、以下の記事で詳しく概要などを解説しているので、先にこちらをご一読されることを推奨します。

本記事では、NounsDAOのことを母体DAOと表現し、そこから派生したDAOの一つのかたちとして機能する「サブDAO」に焦点を当て、その中でも筆者の主観で最もワークしているサブDAO事例「Lil Nouns」について解説してまいります。

母体となるDAOから派生した個々のサブDAO同士、または母体DAOとサブDAOが”対立”するのではなく、”協調”して共にスケールいていくモデルとして非常に興味深い事例なので、ぜひご参考ください。

ということで今回は、NounsDAOから派生したサブDAO「Lil Nouns」の概要や注目ポイントなどを紐解いていくことで、その実態とサブDAOの参考モデル、DAO to DAOの一つの姿について理解していただくことを目的とします。

でははじめに、この記事の構成について説明します。

STEP
「Lil Nouns」とは

まずはLil Nounsの概要を中心に、NounsDAOとの違いやデータを元にした定性的な全体傾向などについて解説いたします。

STEP
Lil Nounsに関する最新の動向

STEP1を踏まえて、Lil Nounsに関して筆者が気になった出来事などをいくつかピックアップしてご紹介することで、Lil NounsやサブDAOについての理解を深めていただくことを目指します。

本記事が、Lil Nounsの概要や定性的なデータにもとづく傾向、最新の動向からサブDAOの概観などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。

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目次

「Lil Nouns」とは

出典:lilnouns.wtf

サマリー

出典:lilnouns.wtf
  • Lil NounsのアートワークはCC0(パブリックドメイン)
  • Lil Nounは15分ごとに1体ずつ生成され、トラストレスなオークションで永遠に(Ethereumチェーンが稼働し続ける限り)競り落とされ続ける
  • Lil Nounオークションの収益は100%Lil Nounsトレジャリーに送られる
  • 1つのオークションが終了すると、次のオークションが開始される
  • すべてのLil NounsはLil Nouns DAOのメンバーである
  • Lil Nouns DAOは、Small Grants(少額の助成金)を介してNounsによってバックアップされている
  • Lil Nouns DAOは、Nouns DAOのフォークであるCompound Governanceを使用している
  • 1つのLil Nounは1つの投票権に等しい
  • トレジャリーはガバナンスを通じてLil Nounsによって排他的に管理される
  • アートワークはgenerativeで、直接Ethereumチェーン上に保存される(≠IPFS)
  • attribute(属性)の希少性に関する明確なルールはなく、すべてのLil Nounsが等しくレアである
  • Lil Noundersは10個刻み(NounID #0, #10, #20, #30, …) のLil Nounsを報酬として受け取る(最初の5年間は供給量の10%)
  • Nouns DAOは11個刻み(NounID #1, #11, #21, #31, …)Lil Nounsを報酬として受け取る(最初の5年間は供給量の10%)

概要

出典:lilnouns.wtf

Lil Nounsは、Nounsエコシステムを拡張したNFTプロジェクトであり、NounsDAOのサブDAOに位置付けられるものです。

「Lil」という単語はスラングで「little」を省略したものとして使われていることから、『子ども版Nouns』という意味になります。

母体となるNounsと同様に、人・場所・物をベースとした32×32ピクセルのキャラクターとなっています。

Lil Nounsは、母体となるNounsのフォークプロジェクトであることを謳っており、スマートコントラクト・webサイト・WikiなどはNounsのものから派生させて構築しています。

出典:lilnouns.notion.site

例えば、Lil Nounsのtraits(特徴)に関しては、すべてのNounsのものを「lil」にするために手直しが加えられています。

その他にもいくつか特徴的なポイントがありますが、Nounsと明確に異なる部分としては主に以下3点となります。

  1. NFTの自動生成時間間隔
  2. 生成されるアートワークのコミュニティ投票機能の有無
  3. Rewardの仕様の違い

① NFTの自動生成時間間隔

Nounsが24時間に1体生成されるのに対して、Lil Nounsは15分に1体なのでかなりハイペースで生成されることになります。

Nounsと比較すると1日あたりのNFT発行数が多いこともあり、NFT一つあたりの価格はNounsよりも安価で手頃となっていることが特徴です。

出典:dune.com

具体的には、執筆時点においてNounsは1体あたり約100ETH前後で落札されるのに対して、Lil Nounsは平均1ETH前後で落札されているため、おおよそ100分の1の価格帯となっています。

また1日に生成されるNFTの数は、Nounsが1体であるのに対して、Lil Nounsは96体です。

今までNounsDAOに参加したかった潜在参入層にとっては、Nounsの価格の高さと供給量の少なさがネックとなっていましたが、そこに良きタイミングで入ってきたのがLil Nounsであり、ポジション取りが上手かったという印象です。

つまりLil Nounsは、母体となるNounsDAOコミュニティメンバーの中から「Nounsは高価すぎて手が出せないけれども、ガバナンスシステムに参加してみたい!」という層の需要を上手く汲み取ったかたちで、最も大変な初速の部分を成功させることができたのではないかと分析しています。

つまり簡潔にまとめると、この参入障壁の低さ、そしてコミュニティの需要を上手く汲み取ったローンチタイミングの良さこそが、NounsDAOのサブDAOとして一歩先んじることができた大きな要因ではないかと、筆者は考えています。

② 生成されるアートワークのコミュニティ投票機能の有無

出典:fomonouns.wtf

執筆時点では、Nounsには「FOMO Nouns」というサードパーティ機能が提供されていますが、Lil Nounsには存在しません。

FOMO Nounsの概要を簡単に説明すると、誰でも投票できる機能を用いて最も多くの票を集めたNounがmintされ(前オークションの最終決済も行われ)、次のオークションで販売されるNounのアートワークが決定されるというものです。

これにより、コミュニティ好みのアートワークが生成される確率が上がるため、売上すなわちDAOのトレジャリーに入る資金が増えることが期待されます。

FOMO Nounsについての詳細は以下記事で解説しているので、興味がある方は合わせてご覧ください。

Lil Nounsには同様の機能が提供されていませんが、筆者の見解としては15分に1回Lil Nounが生成されるという意味で時間感覚が狭すぎるので、FOMO Nounsのようなサービスは必要ないと考えています。

理由としては、仕様上ほぼ一日中アートワーク生成に付きっきりになってしまうため徐々にプレイする人がいなくなりそうであること、加えて15分に1体生成される点がFOMOの要素を備えていると考えられるからです。

③ Rewardの仕様の違い

出典:lilnouns.wtf

NounsDAOの場合は、プロジェクトローンチから最初の5年間、10個刻み(NounID #0, #10, #20, #30, …)のNounをNounder(NounsのFounder)がマルチシグウォレットで受け取る仕様になっており、Lil NounsDAOの場合もLil Nounderが10個刻みでNFTを受け取ります。

上画像から見て取れるように、Winning bidはn/aとなっていて、Winnerがlilnounders.ethとなっています。

ここまでであればNounsDAOと同じ仕様ですが、さらにLil NounsDAOの場合はプロジェクトローンチから最初の5年間、11個刻み(LilNounID #1, #11, #21, #31, …)のLil Nounが、NounsDAOに対して自動的に送られる仕様となっています。

出典:lilnouns.wtf

これに対してLil Nounsは、『我々はCC0の忠実なスチュワードとして、Nouns DAOに対してLil Nounsで報酬を与えるようにした』としています。

この報酬設計はNounsDAOからは高く評価されており、サブDAOのあるべき姿として今後も参考にされるモデルではないかと考えられます。

出典:Twitter

NounsエコシステムにおけるCC0アイデンティティのソースであるNounsDAOは、主要な中央ノードを構成します。

そして、CC0アイデンティティを継承するプロジェクトは、中心のノードから広がる小さなノードです。

出典:Twitter

これらの小さなノードは、CC0アイデンティティを新しいサブカルチャーや人々に対して広めることができます。

この総称を「Nouniverse」と言ったりしますが、要は各サブDAOがNounsを多方向への展開を促進する拡張機能となることを目指し、活動しているのです。

データで見るLil Nouns

さて本節では、Lil NounsのDune Analyticsデータをもとに、過去にどのような取引がおこなわれてきたのか、また執筆時点においてどのような傾向にあるかについて考察・分析してまいります。

出典:lilnouns.wtf

まず、執筆時点ではトレジャリー(DAOの公庫)に962ETHがプールされており、これは1ETHを250,000円とした場合およそ2億4,000万円という規模です。

ちなみに先日まではトレジャリーに1,002ETHがプールされていましたが、Proposalの執行により一部使用されたという状況になります。

つまり、Lil Nounsはローンチから20日以内という超短期間で、オークションセールによる売り上げが1,000ETHを突破を成し遂げました。

出典:dune.com

執筆時点におけるWeekly Funding Rate(週次資金調達率)は約175ETHとなっており、全体で見るとやや減少傾向ではあるものの、月次では右肩上がりとなっていることが見て取れます。

ちなみにDaily ETH Spent(1日に使用したETH数)が、DAOのトレジャリーから使用された日々の資金額を示していますが、執筆時点では6月1日と6月2日の2日分しか存在しないことが分かります。

使用された資金の詳細一覧はこちら:lilnouns.wtf/vote

今後、集めた資金がどのように使用されていくのか、そして最も成功しつつあるNounsDAOのサブDAOとして、どのようなことに資金を費やしていくのかに関しては、非常に注目が集まるポイントだと考えられます。

出典:OpenSea

また、執筆時点までの全Lil Nounsオークションにおいて、最高価格の落札額はLil Noun #69の14.00ETHでした。

出典:dune.com

このLil Noun #69だけが、何故14ETHという高額価格で落札されたのかは、筆者調べでは真相が不明でした。

Discordの会話を遡ってみる限りでは事故入札の可能性も考えられているそうですが、落札者からの救済申請などは届いていないといった状況なので、何か情報が入り次第追記させていただきます。

Lil Nounsに関する最新の動向

本章では、Lil Nounsローンチから執筆時点までの最新動向について、いくつかピックアップしてご紹介したいと思います。

#1000までのアーリーアダプターに対してPOAPを配布

参考資料:
LilNounsPOAP Proposal
Lil Nouns Discord(lil-nouns-POAPチャンネル )
Nouns Bidder POAP

Messhup氏をはじめとするLil NounsDAOのコミュニティメンバーにより、Lil Nouns1000枚目記念の特別なPOAP(Proof of Attendance Protocol)がリリースされました。

出典:poap.delivery/1000lilnouns

1000番目より前のLil Nounを保有している人は、こちらのサイトからclaimすることができます。

POAPは、よくイベントやハッカソンなどに参加した際に配布されており、参加したことを証明するのためのNFTバッジです。

Lil Nounsでも、初期にNFTを購入してくれた人に対しての栄誉をPOAPにより贈呈する試みが、コミュニティによるボトムアップ形式でおこなわれました。

運営チームが主導して作成するのではなく、コミュニティからこういった施策が発案されexecuteされるところがボトムアップスタイルであり、NounsDAOの思想をしっかりと引き継いだコミュニティであるように感じました。

ちなみに余談ですが、イーサリアムnaviでよく使用している「Ethereum×羅針盤」のロゴも、Messhup氏が作成してくれたものです。

サブDAOであるSharkDAOがLil Nounsを保有

『SharkDAOはNounsDAOのサブDAOである』とカテゴライズするかどうかは賛否両論あるかと思いますが、ここでは定義上サブDAOであるとします。

SharkDAOは、NounsのNFTを収集するコミュニティを構築し、NounsDAOエコシステムの運営と成長を支援することによってWeb3エコシステムを進化ささせることを目的とする集団です。

$SHARKというガバナンストークン(ERC-20規格)を保有するメンバーで構成されており、執筆時点でSharkDAOは6体のNounsを保有しています。

出典:sharks.wtf

そんなNounsDAOのサブDAOであるSharkDAOが、同じくサブDAOであるLil NounsDAOのNFTを保有するというのは、非常に興味深い動きであると考えられます。

筆者がそのように思う理由として、母体から派生した個々のコミュニティ同士が”対立”するのではなく、”協調”して共にスケールしていくイデオロギーと仕組みが備わっていることが、web3プロダクトにおいては非常に重要な要素であると考えているからです。

全てのDAOがこのモデルに該当するとは思いませんが、筆者の考えとしては協調しながらDAOエコシステムがスケールしていくモデルでないと、中長期ではweb3市場で勝てないと考えています。

もちろん、成長は競争が生むものであるとも思いますが、敵として競い合うのか味方でありつつ競い合うのか、そしてサブDAO同士が味方であることを仕組みや構造、イデオロギーなどの部分でトラストレスに担保できているのかどうかが、重要であると考えます。

そういった意味合いで、今回サブDAOであるSharkDAOがLil Nounsを保有したことは非常に大きな関心事であったと同時に、DAOエコシステムにおける一つのイデオロギーを提唱したように見受けられました。

サブDAOの資金で母体DAOのNFT(Noun #253)を購入

最近のPrpposalで激しく議論されていたのが、『NounsDAOからLil NounsDAOに対して、Noun NFTを一体プレゼントするかどうか』でした。

背景として、以下の2点が本Proposalの主な目的であるとされていました。

  1. LilNouns DAOをNounsDAOに結び付け、Nouniverseへのコミットメントを示すこと
  2. DAO to DAOの歴史的なトランザクションを作り出すこと

激しい議論の末、結果としてProposal 82に記載の通り、プレゼントではなく69.420ETHの固定価格で売却というかたちに落ち着きましたが、非常に興味深い出来事でした。

筆者の個人的な意見としては、サブDAOが母体DAOのNFTを購入し、そして発言権の一部をもつことは、インセンティブ設計などの観点も踏まえて良いことだと考えています。

しかし一方で、サブDAOの資金の使い道がそこに限られてしまうと良くないと考えています。

出典:OpenSea

今回の事例ではNoun #253を購入していますが、実は以前(Proposal 4)86ETHでSteak Noun #287を購入しているので、本件と合わせると2体目のNoun NFT購入事例となります。

出典:Twitter

サブDAOの大きな存在意義としては、母体DAOが手を出しづらいニッチな領域・サブカルチャー領域を攻めることにあるはずなので、そのような意見・施策などに焦点を当てていくことが求められると筆者は考えています。

以上のことから、サブDAOが母体DAOのNFTをいくつか購入することは良いことだと思う一方で、今後もそこにしか大きな資金の使い道がないと今ひとつな印象を抱いてしまうため、サブDAOにしかできないニッチな領域を攻める集団であってほしいと期待しています。

まとめ

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でりおてんちょー

「地方創生×NFT」の取り組みとして非常にユニークで面白いと思います。


今回は、NounsDAOから派生したサブDAO「Lil Nouns」の概要や注目ポイントなどについて紹介・解説しました。

本記事が、Lil Nounsの概要や定性的なデータにもとづく傾向、最新の動向からサブDAOの概観などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。

また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。

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この記事を書いた人

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