【イーサリアムnavi’s キュレーション|4月26日(金)】Stripeが6年ぶりにUSDCステーブルコインを介したクリプト支払いを再開/Farcasterの成長と問題点について…など

イーサリアムnavi’s キュレーションは、日々の気になるニュース・面白かったニュースレター記事などを、イーサリアムnavi独自の視点で、月に15本程度お届けするサービスです。

2024年4月26日(金)のキュレーションリストは以下です。

  1. Stripeが6年ぶりにUSDCステーブルコインを介したクリプト支払いを再開
  2. Farcasterの成長と問題点について
  3. Farcasterの情報を用いたミームコインの社会的および金融的分析
  4. 「ニッチ」が重要な理由

なお、ここに掲載したもの以外にも、日々多くの情報ソースや見解などをDiscordコミュニティの方で発信しています。興味がある方はぜひご参加いただけますと幸いです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。

目次

① Stripeが6年ぶりにUSDCステーブルコインを介したクリプト支払いを再開

TechCrunchの記事「After 6-year hiatus, Stripe to start taking crypto payments, starting with USDC stablecoin」や、CoinDeskの記事「Stripe Brings Back Crypto Payments Via USDC Stablecoin」で、Stripeが6年ぶりにクリプト決済の市場へ再参入することが書かれていました。

記事によると、今年の夏の終わり頃に、まずはStripeはUSDCを使用して、Solana, Ethereum, Polygonのブロックチェーン上での決済を受け入れることから始めるとのこと。この動きは、2018年にBitcoinのサポートをボラティリティの高さなどの理由から打ち切って以来、初めてのことです。

Stripeの共同設立者兼CEOであるジョン・コリソン氏は、先日開催されたイベント「Stripe Sessionws 2024」の基調講演で、「トランザクションの決済時間はもはやクリストファー・ノーランの映画ほど長くなく、コストも映画の予算ほどではない」と述べ、今回の取り組みによって、より良いユーザー体験が提供できると強調しました。

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個人的に、このニュースは2つの理由から非常にポジティブな印象です。まず一つは、2018年にサポート打ち切りをした後で初のクリプト決済機能の参入ということで、改めてステーブルコイン決済の可能性をStripe社が感じたことが嬉しいという気持ち。そしてもう一つは、イーサリアムnaviの「定期購読プラン」での決済にもStirpeを使用しており、そこでクリプト決済が導入できる可能性が開けたことで非常にワクワクしています。

実は去年の11月ごろ、Stripeさんから「NFTを題材にしているメディアだからStripeのアカウント凍結したよ」という連絡を受け、しばらくやり取りが続いていた(※最終的に和解できた)のですが、その際にweb3事業者の方々から「うちも同じ措置を受けたからStripeは使っていない」とアドバイスを頂きました。

ただ、今回の発表を受けて、徐々にではあるもののNFT領域の決済にもStripeが利用できるようになるかもしれません。Stripeの年間決済総額は1兆ドルに達し、世界のGDPの1%を占める規模の会社なので、このタイミングでクリプト決済領域に参入したら、業界全体の潮目が大きく変わるのではないかと注目しています。

② Farcasterの成長と問題点について

Do As I Say, Not As I Do」という記事で、Farcasterとその公式クライアントWarpcastが直面する成長圧力と、それに伴う利害の衝突を批判的に分析されていました。

著者によると、Farcasterは分散型プロトコルを掲げつつも、VCに支えられた利益追求型スタートアップとしての特性を持ち、成長指標を不適切に強調している等と主張しています。

詳しくは元記事をご覧いただきたいですが、著者の主張を簡潔に要約すると、以下の5つに集約されます。(要点は太字+青マーカーで示しています

  1. Farcasterプロトコルは、webのように誰もが自由に利用できるとされているが、Farcasterおよびその主要クライアントであるWarpcastは、VCに支援された利益追求型のスタートアップであることから、ユーザー数やエンゲージメントの急速な増加が求められ、webとは異なるプレッシャーが存在している
  2. Farcasterは分散型プロトコルであり、内容のモデレーションや真実の仲裁を行うべきではないとされているが、プラットフォーム操作やスパム対策の明確なポリシーがなく、今なお問題が続いている
  3. Farcasterのような分散型プロトコルも、公的なweb2ソーシャル企業と同様に「成長を売り物にするビジネスモデル」のため、利害の対立が生じている。特に、ユーザー数やエンゲージメントの数字がしばしば強調されるため、その真正性が疑問視されている
  4. 有料登録制にもかかわらず、低価格設定は良質なユーザーの参加を助ける一方で、スパム行為を完全には抑えきれていない
  5. Farcasterの公式クライアントであるWarpcastに大多数のユーザーが集約しており、他のクライアントアプリが数えるほどしか存在しない

全体として、Farcasterとそのエコシステムは分散型であることの利点を生かしつつも、成長と利益の追求に伴う課題に直面しており、対策が不足していると批判的に論じられています。

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個人的に、この論調に全面同意する訳ではないものの、たしかに「日本語アカウントが根拠なくbanされ続けている」「Farcasterのバグなどのせい(?)で、他クライアントアプリがほとんど存在しない」などは課題だと思いますし、その点は以下の記事の考察パートでも取り上げました。

ただ、裏を返すと、それだけweb3ソーシャルのプロダクトとして期待が集まっていることでもあると言えます。実際、DAUは右肩上がりとなっていますし、ミームコインを起点にした新たなカルチャー・アプリも創出されてきつつある状況です。

Farcasterチームは少人数での運営を心がけており、リソースが足りず優先順位が下がってしまっているのは仕方ないことだと思いますが、その中でもできる限り対策に努めてほしいと思います。

③ Farcasterの情報を用いたミームコインの社会的および金融的分析


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