先日、筆者は民藝作品が展示されている場に足を運ぶ機会があり、その中で平井睦美さんという方が制作された「コップ」を購入しました。
平井さんが制作するコップは、自身で吹きガラスを成形した器にサンドブラストで模様が施されており、単に模様を彫るだけでなく、時間をかけて深く彫り込まれた模様が特徴です。また、「手触り」といった触覚を重視しながら制作されています。
思い返してみると、私たちの生活はほとんどスマホ一台で完結するようになったと感じます。例えば、ペン、紙、ノート、電卓、本、電話、時計、財布、クレジットカード、写真、地図、ビデオゲームなど、多くのものがスマートフォンのアプリに置き換えられているのが、現代のスマホ社会と言えるでしょう。
これは確かに便利である一方で、私たち人間の大切な「五感」の一つである「触覚」の喪失を招いているのではないかという危機感も同時に覚えます。
そうした課題意識を以前から感じていたこともあり、先ほどの平井さんのコップを購入しましたが、このように日常の中で「触覚」を刺激する機会を意図的に増やすことで、『自分が元々は持っていたけれど最近忘れかけていた感覚』を取り戻すことには、大きな意味があると感じます。
そして同時に、昨今のNFT業界では「金銭的な価値」ばかりに焦点が当たるようになり、その一つの評価軸だけでNFT全体が語られる傾向が強まっていることに懸念を覚えています。
最近の話でいえば、2024年8月のNFT取引額が7月と比べて41%減少し、さらに2024年3月の水準と比較して3分の1以下にまで縮小したことなどがニュースとして取り沙汰され、話題となりました。
また、直近9月のNFT売上に関しては、2021年以来最も低い月間取引量を記録し、CryptoSlamのデータによるとNFTの売上は同年8月から20%減少したそうです。
これは、2024年3月の最高月間売上であった$1.6Bから81%の大幅な減少に相当する数値だとして、こちらも悪い意味で話題となりました。
このように「金銭的な価値」という単一軸で見ると「NFTは終わった」や「NFT is dead」と言いたくなる気持ちも理解できますが、一方で私たちがスマホの普及によって触覚を喪失しつつあるように、NFTの評価基準が失われつつあるのではないかという仮説を抱いています。
時を遡ると、NFTバブルの先駆けとなった2021年当時、NFTの価値は「金銭的な価値」だけでなく、「NFTを保有する楽しさ」や「ホルダー同士の繋がりと帰属意識」、「コミュニティ主導のプロジェクト運営へのワクワク感」など、NFTを評価し応援する指標が、今よりも多様であったように感じられます。
つまり、私たちはNFTを金銭的な価値ばかりで測るようになり、本来あったはずの感覚や指標を忘れてしまったのではないか。
少々前置きが長くなりましたが、今回はそのことについてコラムを書き綴りたいと思います。
でははじめに、この記事の構成について説明します。
まずは、五感とはそもそも何なのかについて簡潔におさらいし、スマホの普及によって失われつつある五感の一つである「触覚」に焦点を当てていきます。
続いて、「換金価値」以外のNFTの価値としては、どのようなものが考えられるかについて解説します。
最後に、NFTにおけるエンタメ(娯楽)事例や、マーケティング視点での「楽しさ」や「消費」の意義、楽しさをKPIとして測定する話などについて、筆者の私見を交えながら考察します。
本記事が、NFTの価値基準や「楽しさ」や「消費」に焦点を当てたNFTプロジェクトなどについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。
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五感の基本概念と触覚の喪失
「五感」について
そもそも「五感」とは、人間が外界の情報を感知し、脳へ伝達するための基本的な感覚です。これらは、視覚、嗅覚、聴覚、触覚、味覚の五つに分類されます。
簡単におさらいすると、以下のようにまとめられます。
- 視覚(視る)
- 視覚は、目を通じて光を感知し、物体の形状や色、距離を脳で認識する感覚
- 目の網膜が光を受け取り、その情報が視神経を通じて脳へ送られる
- 日常生活において、物体の識別や移動において重要な役割を果たすもの
- 嗅覚(嗅ぐ)
- 嗅覚は、鼻を通じて化学物質を感知する感覚
- 鼻腔内の嗅覚受容体がにおい分子を捉え、その情報を脳へ送ることでにおいとして認識される
- 食べ物の味を強化するだけでなく、危険の察知にも役立つもの
- 聴覚(聴く)
- 聴覚は、音を感知する感覚
- 耳が空気中の振動(音波)を捉え、これを内耳にある蝸牛(かぎゅう)で電気信号に変換し、脳へ伝達する
- 会話や音楽、周囲の音を認識するために欠かせない感覚
- 触覚(触る)
- 触覚は、皮膚を通じて圧力、振動、温度、痛みなどを感知する感覚
- 触覚によって物の硬さや柔らかさ、温度を感じることができ、外界との接触により危険を回避するシグナルとしても機能するもの
- 味覚(味わう)
- 味覚は、舌の味蕾(みらい)と呼ばれる受容器で甘味、酸味、苦味、塩味、うま味などを感知する感覚
- 食べ物の味を楽しむだけでなく、食物の安全性を判断する重要な役割も担っている
そして、本記事で焦点を当てているのは、4つ目の触覚(触る)になります。
スマホの普及による「触覚」の喪失
上記リストで示したように、「五感」はそれぞれ独立しながらも互いに補完し合い、相互に連携することで外界からの情報を総合的に認識し、適切に反応できるように設計されています。
そんな中、スマートフォンの普及をはじめとするデジタル化の波によって、五感の一つである「触覚」が喪失されつつあるのではないでしょうか。
思い返せば、スマートフォンは私たちの生活に必要だった多くの「フィジカルなツール」をデジタル化してきました。
事例を挙げれば枚挙に暇がありませんが、ペン、紙、ノート、電卓、本、電話、時計、財布、クレジットカード、写真、地図、ビデオゲームなど、多くのものがスマートフォンのアプリに置き換えられ、「画一的でツルツルした触覚体験に集約されているのが現代のスマホ社会」だと言えます。
これらは確かに便利であり、コストやスペースの節約という点で多大なメリットがありますが、その一方で「触れる」という体験の質が損なわれていることに、より多くの人が危機感を持つべきではないかとも個人的に考えています。
触覚を取り戻すために
幸いにも、「触覚」を取り戻すための処方箋はすでに存在します。例えば、デジタル依存の弊害を克服する手段として、より多くの時間を外で過ごすことが、触覚を再び活性化させる一つの方法として広く知られています。
ちなみに筆者はよく散歩をしますが、外での散歩は視覚や聴覚、嗅覚、そして心身のリフレッシュには大いに役立つものの、それだけでは触覚を十分に刺激することはできません。
そこで最近意識するようになったのが、触覚を生活に取り入れる機会を増やすことです。例えば、触覚を意識した生活用品やツールを日常に再導入し、スマホやタブレットだけでなく、例えば紙の本やアナログ機器を使用するよう心がけています。記事冒頭でご紹介した「触覚を刺激するコップ」も、こうした課題背景から購入に至ったものです。
ただ、最近ではそれだけでは飽き足らず、先日は「音を見る・聴く・触る」といった体験価値を提供する「dayon(ダヨン)」という昔の製品を触れる展覧会に行ってきたのですが、これが意外と多くの気づきがあり、非常に興味深い体験でした。
dayonを使うと、「自分がスクリーンで視ている映像・聴いている音を、振動として触覚で感知できる」のですが、このような製品に触れてみると、いかに自分が五感を相互に補い合いながら世の中を認知しているのかを思い知らされます。
そして、現在のインターネット社会では視覚と聴覚にのみ頼った体験が主流となっており、これがリアルな世界のサービスに勝てない大きな要因の一つではないかと感じました。
ただ、リアルな世界では嗅覚や味覚への刺激は感じられるものの、触覚については先述のようにデジタル化の影響で「ツルツルしたもの」に代替されつつあり、これが私たちの基本的な感覚の一つを失わせつつあるのかもしれません。
余談:メタバースに足りない感覚
メタバースは、web3というワードが普及し始めた時期に「NFT」や「DAO」と並んで存在感を示してきたジャンルの一つと言えますが、残念ながら現在までに一般普及には至っていない印象です。
メタバースが未だ一般普及に至っていない要因としてよく挙げられるのは、技術的なハードルやユーザー体験の質が十分に向上していないこと、そして、視覚や聴覚に依存した体験であるため、現実世界と比べて没入感が不足している点などです。
それらに加えて、現状では高性能なVRデバイスが高価で一般ユーザーには手が届きにくい存在であることや、メタバース内でのインタラクションが制限され「リアルさ」を提供できていないことも大きな要因と考えられますが、個人的には「触覚」の要素が欠けていることが主因の一つではないかと考えています。
触覚を再現するためには、例えばハプティクス技術を用いた「触れるスクリーン」や、触覚を再現する「グローブ」、さらには「360度トレッドミル」のようなデバイスが進化することで、ユーザーが仮想空間の物体に触れる感覚を得たり、歩くことができるようなので、こうした「触覚」要素が加わることでメタバースの普及に一歩近づくのではないかと考えられます。
また、最近では「嗅覚」をデジタル上で再現する取り組みも見られるようになっており、こうした五感の価値が改めて見直されることで、新たなサービスや体験が創出されていくことが期待されます。
匂いをデジタル上で落とし込んでそれを再現させる技術を開発しているOsmoが初めて技術を実現するのに成功した。
— Tetsuro Miyatake (@tmiyatake1) October 30, 2024
より匂いをデジタル化および再現できるようになった時にどう言う事業や新しいプロダクト・体験が可能になるのかが気になる。 pic.twitter.com/2Q7VZymHHp
こうした各領域でのデバイスが進化することで、単に視覚的に空間を観察するだけでなく、身体的な感覚を伴う体験が可能となり、メタバースは従来の「ゲーム的な世界観」から「リアルに感じられる場所」へと進化していくのかもしれませんね。
失われてしまったNFTの評価指標
さて、本記事の冒頭で述べた通り、昨今ではNFTの「金銭的な価値(換金価値)」にばかり焦点が当たるようになり、その一つの評価軸によってNFTスペース全体が語られることが増えつつあります。
NFTにおける換金価値以外の「価値」については、上記の画像引用元の記事で解説したため詳細は割愛しますが、要するにNFTの「価値」を正しく評価するには価格(換金価値)だけでは不十分だというのが、筆者のスタンスです。
後述するようにNFTの「価値」は、金銭的な指標のみにとどまらず、例えば社会的な地位(ソーシャルキャピタル)やコミュニティへの帰属意識、さらにはメタバースなどデジタル空間などにおける役割(ユーティリティ)といった複合的な要素から構成されています。
では、「換金価値」以外のNFTの価値として、どのようなものが考えられるでしょうか。本章では主に以下の3つに焦点を当てて解説していきたいと思います。
- コミュニティ要素
- ソーシャルキャピタル要素
- ユーティリティ要素
1. コミュニティ要素
NFTとコミュニティの相性の良さについてはよく語られますが、特にコロナが世界を襲った際、私たちは日常生活の大部分が物理的に制限される中でデジタル空間でのつながりを模索し、オンラインでの活動が急速に推進されました。
これはデジタルアート業界も例外ではなく、こうした状況下でアーティストやクリエイターたちは自身の作品をNFTとして展開することで、新たなオーディエンスとの接点を生み出すことに結びつきました。
そしてこの頃から、NFTは従来のアート作品のような投資対象としてだけでなく、コミュニティ参加の手段としても価値を持つようになったと考えています。BAYCなどを筆頭に、NFT保有者がオンラインイベントや限定デジタルコンテンツ、専用のDiscordグループにアクセスするなど、NFTが「デジタル会員証」として機能することも増えました。
このような「社会性」を持つNFTは、従来の一方向的な投資の概念とは異なり、参加者がコミュニティ内で活発に交流し、情報を共有し、互いの価値を確認し合うことでその価値を高めるという特性を持っていると言えます。
ロックダウンやパンデミックによりリアルな交流が難しくなる中、人々はNFTを通じて新たなデジタルコミュニティに参加し、共通の関心や価値観を持つ人々とつながる場を見つけるようになったことも、今では懐かしい思い出です。
それによって、単なるNFT作品の購入に留まらず「コミュニティの一員になるためのパスポート」「社会的なつながりを深めるための鍵」としての価値を持つ存在へと、発展を遂げることになりました。
2. ソーシャルキャピタル要素
NFTの価値を考える上で重要な要素の一つが、このソーシャルキャピタルであり、特にCryptoPunksやBAYCのようなNFTは、ホルダーにとって明らかなデジタル空間でのステータスシンボルとなりました。
例えば、現在では機能が廃止されましたが、かつてのTwitterではこれらのNFTをプロフィール画像として使用することで、NFT保有者は他のユーザーに対して自らの地位や成功を誇示することを意味していました。
ちなみに、Eugene Wei氏の「Status-as-a-Service(StaaS)理論」によると、人々は潜在的に社会的地位を求める傾向があり、そのために最も効率的な手段を模索する生き物だとされています。
現在では、NFTに対してその効用を期待する声が減りつつあるのかもしれませんが、かつてNFTはステータスを象徴するデジタル証明書として機能し、特に稀少性や初期参入者の優位性が強調されていたことは確かです。
サピエンスは高い物を買ってマウンティング行為を仕掛ける事に強い快感を得るよう心を進化させている。マウント行為にどんな機能があるのか?地位シグナリングにはそれを見せられた個体のプライドと自信を減衰させ、無力感に苛ませるという生物学的効果がある。要は間接的に「攻撃」することができる。 pic.twitter.com/GGKCXvAJH5
— エボサイ(EvoPsy) (@selfcomestomine) November 17, 2021
例えば、Robloxのユーザーたちはデジタルグッズを購入し、それをアバターに着せてオンラインで友達と遊んでいますが、そこでレアリティの高いアイテムや高価な服を身にまとい、友達に見せびらかすことで、ステータスを誇示することができます。
この行為は、自己顕示欲や承認欲求といった人間の根源的な欲求を満たすことに直結していると言えますが、このようなステータスの誇示をクリプトの世界で実現したのが、まさにコレクタブルNFTだったのではないでしょうか。
ちなみに、ここでのステータスとは、単に高価なアイテムを持つことだけではなく、例えば「誰もが手に入れられないもの」への「アクセスやアーリーな情報の早期取得」、「限定的な体験」に重きを置いています。
3. ユーティリティ要素
ユーティリティは、NFTの価値の一つとして最も分かりやすい指標の一つだと言えます。
現実世界(RWA)の例では、不動産や美術品、ワインなどのアセットをトークン化し、二次流通可能な形で提供したり、部分所有権を提供する動きが顕著です。
またデジタル世界では、ゲームやメタバース、トークンゲートによる機能開放など、「アクセス権」というユーティリティを提供するケースが目立っている印象です。
一方で、昨今流行している「ミームコイン」は、ユーティリティを完全に排除し、評価が不可能なプロジェクトとして注目を集め続けています。
ユーティリティを追加しようとしたミームコインは、逆に評価が下がってしまう傾向があるとも言われており、この点はNFTとミームコインの差別化ポイントの一つと筆者は考えています。
こうした観点から見ると、ミームコインは投資というよりも「共感」や「帰属意識」のために購入され、他のユーティリティトークンと比較しても、特に強気なコミュニティが形成される特徴があると言えるでしょう。
本章のまとめ
以上のように、昨今ではNFTの価格(換金価値)という指標ばかりが注目され、その数値の増減によって価値を測る論調が一層強まっていますが、私たちが知らない間に忘れてしまっただけで、本来NFTには換金価値以外にも明確な価値が存在していたのではないでしょうか。
一方で、最近ではミームコインにコミュニティや帰属意識といった要素が転化しているようにも感じられるため、NFTを使って事業を展開しようとしている方は、今一度「NFTの提供価値とは何か」について再考してみるのも面白いかもしれません。
前章でご紹介したdayonのように、視覚と聴覚で捉えているものを触覚に訴えかけてその存在を認知させるなど、NFTの価値の届け方にもまだ模索されていないユニークな活路があるはずです。
また、換金価値では「投資」という文脈で製品が捉えられてしまうため、いかにユーザーから「消費」してもらえるかを考えることで、新たな切り口が見つかるのではないでしょうか。
NFTにおけるエンタメ(娯楽)要素や「楽しさ」や「消費」のKPI
NFTにおけるエンタメ(娯楽)事例について
さて、「楽しさ」や「消費」に焦点を当てたNFTプロジェクトには、一体どのような事例が挙げられるでしょうか。
まず、最近の事例として分かりやすい事例の一つに、「Moshicam」が挙げられます。
Moshicamを一言で表現するなら、懐かしいポラロイド風の写真をオンチェーンで作成・ミントする楽しみを提供するアプリです。
しかし、このアプリは単なる写真保存ツールにとどまらず、ユーザーが自身の思い出や特別な瞬間をオンチェーンで保存し、共有できるプラットフォームとしての機能を持つ点が特徴的です。
例えば、ユーザーは写真を撮影するだけでなく、既存の写真をアップロードし、ポラロイド風のボーダーやステッカーを追加することで、個性的な「オンチェーンの思い出」を作り上げることができます。
また、Moshicamの大きな特徴の一つは、クリプトに詳しくないユーザーでも簡単に利用できるよう、ユーザー体験を極めて簡素化している点です。
例えば、Coinbase Smart Walletを活用することで、オンボーディングが非常にスムーズに進み、アプリをインストールしてサインアップするだけでガス代を気にせず、手軽に写真をミントできる環境が整っています。
さらにMoshicamでは、写真の投稿だけでなく、他のユーザーがその写真をミントすることで報酬を得られる仕組みが導入されているのですが、この仕組みによって「写真がミントされるたびにクリエイターにETHが支払われ、写真の投稿やボーダー作成に対するインセンティブ」が生まれています。
こうした要素に加えて、上手くファン要素を取り入れることで、コミュニティ全体の活性化を促す巧妙な仕掛けが実現されていると考えられます。
また、BaseネットワークとFarcasterに基づくオンチェーンのソーシャルアプリ「Rodeo」も、「楽しさ」や「消費」に焦点を当てたNFTプロジェクトに該当します。
簡単に言うとRodeoは、ユーザーが投稿をNFT化し、他のユーザーが0.0001 ETH(約25セント)で収集できるソーシャルプラットフォームです。
このアプリは、主にクリエイターとコレクター向けに設計されており、メディアの共有や興味のあるNFTの発見を容易に行える仕組みを提供していることが特徴で、Farcasterとのシームレスな統合により、「既存のFarcasterユーザーが簡単にRodeoに参加できる」点が、先ほどのMoshicamと同様にオンボーディングの観点から優れていると思います。
なお、もともとRodeoはNFTアートマーケットプレイス「Foundation」のチームによって開発されたアプリであり、「今この瞬間を楽しみながら、シンプルにデジタルコンテンツをシェアする」ことを目的としています。
通常、オンチェーンでのミントには価格や市場動向などさまざまな要素を考慮する必要がありますが、Rodeoはそのプロセスを簡素化し、「今やっていること」をシェアすることに重点を置いています。
そのため、時間限定の投稿が特徴となっており、各投稿は24時間のみ有効な仕様となっており、これによりユーザーは「その瞬間」に焦点を当て、早期コレクターとしてのチャンスが提供されるというインセンティブ設計となっています。
ちなみに、RodeoではPFPやアート作品といった従来のNFT市場でよく見られる題材にとどまらず、日常生活の瞬間や人生の一大イベント(趣味、イベント、結婚など)といった場面にもミント機能が活用され始めています。
マーケティング視点での「楽しさ」や「消費」の意義
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まとめ
今回はコラム記事として、NFTの価値基準を再定義するために、触覚の喪失問題とマーケティング視点での「楽しさ」や「消費」の意義について考察しました。
本記事が、NFTの価値基準や「楽しさ」や「消費」に焦点を当てたNFTプロジェクトなどについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。
また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。
◤ NFTの価値基準を再考 ◢
— イーサリアムnavi🧭 (@ethereumnavi) October 31, 2024
🌱昨今のNFT業界は「金銭的な価値」ばかりに焦点が当たっている
🌱人類がスマホの普及によって触覚を喪失しつつあるように、NFTの評価基準が失われつつあるのではないか
🌱今NFTに必要な「楽しさ」や「消費」の要素とは何か
詳細はこちら👇https://t.co/lZ6N0GeLr8
つまりは
— 貫く剣 | ➕🧬♦️DEEK (@piercesword) November 1, 2024
骨伝導イヤホンで大音量のASMR音声を聞くのがさいthttps://t.co/IzZoCRss8I
あんまり関係ないけどクリスクロスのダンジョントライアル(フルダイブVRDRPG)では嗅覚の再現は止めたというのを思い出した
あとミームコインのユーティリティ云々は、多分くだらないものは増える理論によるも(r
Excellent article. As I often tell people: now is the first game of NFT. #NFT #Web3 https://t.co/3C9unqaDfr
— Raphael Joe ⚛️ (@Raphael_Joe106) November 2, 2024
「つまり、私たちはNFTを金銭的な価値ばかりで測るようになり、本来あったはずの感覚や指標を忘れてしまったのではないか」 https://t.co/vxnHBPPPWY
— Muto (@sunnyday_photo) November 2, 2024
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