NounsDAOと世界のビール大手ブランド「Budweiser(バドワイザー)」「Bud Light(バドライト)」のコラボ事例などについて解説

どうも、でりおてんちょーです。

今回は、NounsDAOと世界のビール大手ブランド「Bud Light(バドライト)」のコラボレーションについて紹介・解説していきたいと思います。

出典:budlight.com

Bud Lightは「Budweiser(バドワイザー)」と同じくAnheuser-Busch Companies, Inc.の世界的ビールブランドです。

NounsというNFTやNousDAOについてご存知ないという方は、以下の記事で詳しく概要などを解説しているので、先にこちらをご一読されることを推奨します。

NounsDAOのProposalについては、上の記事で詳しく解説しているのでそちらをご参照いただきたいのですが、簡易的にポイントだけ整理すると以下のような仕組みで機能しています。

つまり、提案や議論自体はNounsのNFTを保有していなくても誰でもおこなえるようになっています。

具体的な流れは、NounsのDiscordDiscourseというプラットフォームで皆が提案・議論をおこない、それに対してNounsホルダーが一人でもProposalとして正式に投票の場に上げると、Nounsホルダーによる投票がおこなわれます。

可決されればNounsDAOのトレジャリー(公庫)から資金が提供されるので、NounsのNFTを保有していない人でも提案や議論をおこなうインセンティブがはたらくようになっています。

出典:nouns.wtf/vote/33

そんなNounsDAOのProposalで、先日世界的ビールブランド「Bud Light」とのコラボ提案が可決されていたので、今回はそれについて紹介・解説していきたいと思います。

でははじめに、この記事の構成について説明します。

STEP
背景と文脈

まずは、今回のBud LightのNFTプロジェクトとNounsのコラボ発表の背景と文脈について解説します。

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Bud LightがNounsのNFTを保有

次に、Bud LightがNounsのNFTを保有し、NounsがSuper BowlのCMデビューした概要、またコラボ提案からCM公開までのスピード感およびその背景などについて解説します。

STEP
Bud Light側 / NousDAO側のメリットは?

Bud LightとNounsプロジェクトのコラボに関して、双方にどのようなメリットがあるのかについて、私見を交えながら考察します。

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Nounsがオープンソースであることの強み

最後に、NounsがCC0ライセンスで管理されている「パブリックドメイン」であることの強みについて、私見を交えながら解説します。

本記事が、Nouns×Bud Lightコラボの概要、またNounsDAOで可決されたProposalの事例などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

※本記事は特定のFT / NFTの購入を推奨するものではありません。あくまで勉強の一環としてご活用ください

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目次

背景と文脈

今回の、Bud LightのNFTプロジェクトとNounsのコラボ発表の背景と文脈について、はじめに少し補足説明をしておきます。

まず、Bud Lightと同じくAnheuser-Busch Companies, Inc.のビールブランドである「Budweiser」が、2021年8月に以下2種類のNFTを購入してNFT空間に参入しました。

  • Tom Sachs Rocket FactoryコレクションからBudをテーマにした非公式ロケット画像
  • ENS(Ethereum Name Service)の「beer.eth」

その後2021年11月にBudweiserは、Ethereumチェーン上で独自のコレクタブルNFTを発売する計画を明らかにしました。

そして以下が、Budweiserが最初にリリースしたコレクタブルNFT「Budverse Cans」です。

出典:OpenSea

各NFTには、Budweiserブランドの歴史を示す古典的な写真、広告、デザインドキュメントの要素が含まれます。

また、「Budverse Cans」は今後Budverseの鍵として機能し、将来的な特典・報酬・驚きを解き放つことができると標榜しています。

なお、執筆時点でのfloor価格は0.45ETHとなっており、こちらは2つの希少レベルで販売され、Mint価格がそれぞれ

  • Core Cans:499ドル(gas代込)
  • Gold Cans:999ドル(gas代込)

であったことを考えると、大幅にプラス域を保っている状況です。

その後、第2弾として「Budweiser Royalty」というNFTがリリースされました。

出典:us.budweiser.com

本NFTシリーズは、音楽業界の未来のキングとクイーンとなりうる22人の新人アーティストを称えるコンセプトでつくられたNFTです。

出典:us.budweiser.com

これらのNFTの概要は、簡潔にまとめると以下のようなものだと標榜しています。

  • 音楽の名誉のバッジ
  • お気に入りのアーティストを表したもの
  • 他の観客よりも先にファンであったことを示すものとして機能
  • 将来の経験と報酬を獲得する機会も含まれる場合がある

ちなみに、先程の「Budverse Cans」NFT保有者であれば、gas代を支払うだけで優先的に「Budweiser Royalty」NFTをClaimすることが可能となっています。(※リリースから30日以内限定)

そして、その流れでBud Lightも2022年2月に独自のNFTコレクションを発売し、合計12,722個のNFT(Ethereumチェーン発行)を、1個399ドルで販売しています。

出典:OpenSea

それぞれのNFTには、今後の取り組みや商品に関する投票権など、まだ明らかにされていない限定的な特典が付属しています。

2022年2月13日追記:
NFT保有者に対して、Nouns派生フィジカルグラスをプレゼントされることが告知されました。

以上が、今回のBud LightのNFTプロジェクト発表の背景と文脈になります。

Bud LightがNounsのNFTを保有

出典:nouns.wtf/auction/179

概要

NFTプロジェクトの発表をおこなったBudweiser(Bud Light)は、Super Bowlのスポットライトと引き換えに、NounsのNFT(Noun 179)を受け取りました。

このビールをテーマにしたNFT(Noun 179)は、2022年1月17日に可決された “Super BowlのCMと実際の飲料缶にNounグラスを採用する“という提案を受けてNouns Foundationが127ETHで購入し、Bud Lightに贈呈したものです。

Super BowlのCMと実際の飲料缶にNounグラスを採用する

Nouns DAOの1つのNounと引き換えに、ある著名な飲料会社は2022年のSuper BowlのCMにNounグラスを登場させる予定です。

Nounを受け取ると、このブランドはTwitterのアバターもNounグラスに変更し、そのブランドのNFTの保有者が将来のガバナンス提案について、自分のNounで一括して投票できるようにする予定です。

さらに、このブランドは、一部の市場における主要なイベントで、(飲酒年齢に達している)Noun保有者に配布するために、Nounのパッケージをカスタムした本物の飲料缶を限定生産する可能性があります。Noun保有者は、これらのイベントに参加することができます。

出典:nouns.wtf/vote/33

これは余談かつ私見ですが、「サングラス」と「Nounグラス(ナングラス)」で韻を踏んでいるのだと思います。

そして2022年1月20日、提案通りにBud LightはTwitterのプロフィール画像を、ビールジョッキを頭に乗せNounグラスをかけたピクセルアートのキャラクターが描かれたNouns NFTに変更しました。

出典:Twitter

さらに2022年2月7日、Bud Lightは炭水化物0ビールの新商品「Bud Light NEXT」のマーケティングキャンペーンの一環として、Super Bowl CMをデビューさせました。

このCMでは「Bud Light N3XT Collection」のイラストと一緒に、Nounグラスが使用されています。

またCMの他にも、霧の中からNounグラスが現れる動画をツイートするなど、今後もNounsプロジェクトを絡めた面白い動きを展開していくであろうことが示唆されています。

提案から執行までわずか2ヶ月あまりの早業

出典:YouTube

実は、この発表の数カ月前からBud Light(厳密にはBudweiser)はNFTスペースを監視しており、人気のNFTプロジェクト「CryptToadz」のクリエイターGremplin氏によるNounsをテーマにしたアニメーション作品に対して「Looks rare」とコメントしていました。

Gremplin氏はNounder(Nounsプロジェクトの創設者)のひとりです。

そして、それを見たNounderのひとりである4156氏が、Budweiserとのトレードの可能性を持ち出したことから、本コラボが始動したと推測されます。

当時Bud Lightは、初のNFTシリーズ「Bud Light N3XT Collection」を発表したばかりであり、今後の動向を探っていたという背景があるでしょう。

そんな時に4156氏からの提案を受け、コラボの一環として提案に興味をもち、話がトントン拍子で進み、提案のもちかけからCM公開までわずか2ヶ月あまりという最速スピードで執行されたのではないかと考えられます。

ちなみにSuper Bowlは米国で最も大きなテレビイベントであり、2021年の対決は約1億人の視聴者を獲得し、2022年はその倍の2億人を見込んでいるとも言われています。

そんな一大イベントを、コラボの提案を受けてからCM公開までわずか2ヶ月あまりでやり遂げたことは本当に驚きですし、NFT業界のトレンドの移り変わりの速さ・鮮度の重要性を理解しての動きだったのではないかと感心しました。

Bud Light側 / NousDAO側のメリットは?

本コラボにおける、双方のメリットについて私見を交えて考察していきます。

Bud Light側のメリット

まずBud Lightとしては、NounsのNFTを無料で貰うことができます。

ここでは詳述しませんが、NounsのNFTは単価が非常に高く、デイリーオークションでは1体あたり100ETH近くで購入されています。

出典:OpenSea

先述の通り、本NFTはNouns Foundationが127ETHで購入したものであり、さらにバックボーンもしっかり付与されていることからその価値は計り知れないものになると予想できます。

さらに、早期からNFT業界に参入している企業だということを、世界に対してアピールできる点も大きなメリットです。

BudweiserやBud Lightは、

  • beer.ethを約1000万円で購入
  • Tom Sachs Rocket FactoryのNFTを300万円弱で購入
  • 自社でNFTプロジェクトをリリース

など、Nounsとのコラボ以前からNFT業界に対して明るい企業(ブランド)であることが周知されていました。

Crypto業界内ではすでに評判が良かったところ、次はCrypto業界外に向けても『先進的な企業』『Crypto関連の知見をもった企業』であることをアピールできますので、この効果は非常に大きなものになるでしょう。

NousDAO側のメリット

まずNounsDAOとしては、Super BowlのCMにNounsのトレードマークであるNounグラスを登場させることができますね。

最近では、Bored Ape Yacht Clubが

  • AdidasとコラボしてNFTを販売
  • ジャスティン・ビーバーやパリス・ヒルトン、Eminem(エミネム)など著名人から購入される

など、Crypto業界の垣根を越えて広く認知されるNFTとなり、ブームから文化に変わる一種の転換期になりつつあると感じています。

今回のCMを通して初めてNounグラスを目にするという人も出てくるので、そういった文化的な側面で、Nounsの存在を広く世界に対してアピールできることは大きなメリットとなるのではないかと考えています。

そして、世界的トップのビール会社(ブランド)であるBudweiserやBud Lightとのコラボ実績は、DAOという組織としての信頼度を高める上でも非常に効果的だと考えられます。

また、今回の提案をもちかけた4156氏はDiscord上で、

相棒

おそらく非常に愚かな質問ですが、DAOのお金を何に使うのでしょうか?
いくつかの提案などを見ましたが、このDAOが持っている貯蓄と比べると、ほとんど何も使っていないように思えます。

という質問に対して、以下のように答えていました。

出典:Discord

economies of scale(規模の経済)は、さまざまな機会を解き放ちます。もし、DAOが資本の10%しか使わず、現在の規模で世界最大のブランドや代理店と交流することができるとしたら、10倍の規模では何ができるでしょうか?現代のルーヴル美術館を作ることができるのか、もっと大きなものを作ることができるのか、膨大な資本を集めて、そのオプション性で何ができるかを発見することが目標の一つだと思います。そういう意味では、「節約」でも良いのです。

出典:Discord

同氏は「economies of scale(規模の経済)」と表現していますが、これは『生産量が増えるにつれ、生産量1単位あたりの平均費用が下がり、利益率が高まる』という意味を表す単語です。

つまり、Anheuser-Busch Companies, Inc.ほど大きな企業とのコラボを、NounsDAOの一部資本を用いて実現できるのであれば、派生プロジェクトなどを通してNounsプロジェクトの『生産量』が増えていくことにも繋がり、オリジナルの価値を高めることになるのではないかと考えられます。

今回のCM出演により、多くの人はそれをスルーするかもしれませんが、歴史に名を残すことは間違いない事実であり、長い目で見た時に計り知れないほどの恩恵を受けることに繋がるのではないかと、個人的には期待しています。

Nounsがオープンソースであることの強み

今回、Bud Light側は実際にNounsのNFTを保有していますが、厳密には保有している必要はなく、誰でもNounsを用いてプロダクトをつくったり、それを販売して利益をあげることが可能です。

これは、NounsがCreative Commons 0 (CC0) ライセンスによって管理されているから可能であり、「CryptToadz」「Nounsの外観に触発されたその他多くの派生プロジェクト」のように、完全にオープンソースのプロジェクトとなっています。

例えば、今回のSuper BowlのCMを見た人は誰でも、NounsDAOの許可を得ることなくパブリックドメインとしてNounsを使用できることが強みです。

これは非常に重要な要素で、例えば派生プロジェクトをつくりたいと思った人が

  • 著作権や商用利用権、その他諸々を確認するのは手間でコストがかかる
  • 曖昧な規約があった際にはトラブルを避けたい

といった理由から制作を断念する事態を避けることに繋がるため、そういった意味での機会損失を減らすことが可能です。

Nounsプロジェクトの素晴らしい点は、『文化やプロダクトにNounsの画像が広く使用されることでオリジナルNFTに価値が還元される』という法則に基づいて構築されていることにあると考えています。

そのようなアプローチを念頭にNounsDAOは、メディアや玩具ブランド『Uglydoll』の共同制作者であるDavid Horvath氏と共同で、製品や潜在的なエンターテイメントプロジェクトを作成する取り組み「Nouns Studio1」の設立を承認するなどしています。

NFT×CC0に関してはさまざまな議論が繰り広げられていますが、個人的にはEthereumチェーン上で発行されるNFT(コントラクトのソースコード)の多くがpublicなものである点とも辻褄があっていると感じるので、注目したいモデルの一つだと考えています。

逆に、BAYCのように自分の保有するNFTに関してだけ商用利用を認めるといったモデルも台頭してきており、こちらも合わせてプロジェクトを見ながら動向を追っていきたいと思います。

まとめ

本記事では、Nouns×Bud Lightコラボの概要、またNounsDAOで可決されたProposalの事例などについて解説しました。

本記事が、NounsとBud Lightのコラボ、またNounsDAOやそのトレジャリーから資金提供されるプロジェクトの事例などについて知りたい方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。

また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。

弊メディアでは、注目プロジェクトの一つであるNounsDAOの情報については、引き続き最新情報やその動向を追いかけて皆様に情報をお届けしてまいりたいと思います。

最後に、NounsDAOの概要や仕組み、今回ご紹介したNounsとBud Lightのコラボなどについて

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この記事を書いた人

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