分散型オンチェーンメディアとしての可能性|アートワークを自由にカスタマイズできるフルオンチェーンCC0 NFTプロジェクト「OKPC」について徹底解説

今回は、アートワークを自由にカスタマイズできるフルオンチェーンCC0 NFTプロジェクト「OKPC」について紹介・解説していきたいと思います。

出典:okpc.app/inventory

本NFTプロジェクトには、以下の点などをはじめ、筆者が好む題材・トッピングを多様に含んでいます。

  • CC0
  • フルオンチェーン(Ethereum)
  • ボトムアップアプローチ
  • customizability
  • 分散型メディアとしての可能性

これらの要素についての詳細は追って詳しく解説していきますが、OKPCはCryptoネイティブな思想を色濃く反映したNFTプロジェクトであることから、本記事を契機に何か一つでもweb3における重要なインサイトを得ていただければ幸いです。

ということで今回は、アートワークを自由にカスタマイズできるフルオンチェーンCC0 NFTプロジェクト「OKPC」について取り上げていき、その概要や趣旨などを紐解いていくことで、その実態を理解していただくことを目的とします。

でははじめに、この記事の構成について説明します。

STEP
「OKPC」とは

まずは、CryptoネイティブなNFTプロジェクトであるOKPCについて、概要は注目ポイントについて解説してまいります。

STEP
技術的に面白いポイントをピックアップ

続いて、本NFTプロジェクトがERC721(ERC721A), ERC1155規格を組み合わせたNFTであることを中心に、スマートコントラクトの実装部分における注目ポイントについて解説してまいります。

STEP
NFT購入から設定までの一連の流れなど

最後に、筆者自身がOKPC NFTを購入する流れを確認していくことで、実際にどのような手順でWebサイトを使用すれば良いのか等について理解を深めていただくことを目指します。

本記事が、OKPCの概要や注目ポイント、実際の購入方法などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。

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目次

「OKPC」とは

出典:okpc.app/desktop

概要

出典:OpenSea

OKPCは、Ethereumネットワーク上に保存・接続されている「クリエイティブなおもちゃ」を標榜するNFTプロジェクトです。

OKPC NFTを所有しているアカウントは、NFT内に表示されるアートワークを、コミュニティギャラリーに展示されているものから選択して収集・表示設定したり、ペイントアプリを使用して自分でOKPCアートワークを描画することなどが可能です。

アーティストの方は、ギャラリーアーティストに応募し、コミュニティギャラリーでピクセルアートを作成して以下の条件で販売することができます。

  • 販売価格:0.02ETH
  • 総発行数:512個
  • 各アカウントの最大発行可能作品数:8つ

つまり、各アーティスト(アカウント)は合計4096個までギャラリーにソフトウェアNFTを発行することができます。

LootのfounderであるDomや、NounsDAOのfounderであるGremplin(Domもfounder)もアーティストとして参加しています。

続いて、後ほど詳しく触れていきますが、本プロジェクトのNFT設計部分・技術的要素について軽く述べてまいります。

本NFTプロジェクトは、OpenSeaなどで表示されるNFTにはERC721規格(※厳密にはERC721A規格)を採用していますが、さらに分割すると以下の仕様となっています。

  • ハードウェア(額縁・フレーム)部分 => ERC721規格のNFT
  • ソフトウェア(作品・アートワーク)部分 => ERC1155規格のNFT

つまり、パブリックブースとも表現できるハードウェアNFTの内部に、たくさんの(最大512個の)ソフトウェアNFTを保持できます。

そして、その内の一つをいつでも自由にメインのアートワークとして設定できるという面白さ・斬新さを備えたNFTプロジェクトとなります。

出典:okpc.app/paint

また後ほど詳しく見てまいりますが、OKPCではペイントアプリを使用して自分でアートワークを描画し、それをNFTのimageメタデータに設定・カスタマイズすることが可能です。

出典:okpc.app/about

このとき注意点としては、OKPC NFTはCC0ライセンスを採用しているため、OKPCとして自作のアートワークを公開すると同時に、自動的にその作品がCC0を宣言することにも繋がってしまいます。

筆者はNFTプロジェクトにおけるCC0ライセンス採用には賛成のスタンスですが、クリエイターの意向や作品のスタイルにとってCC0が望ましくない状況も当然にありえます。

そのため、ペイントアプリを使用して自分でOKPCアートワークを描画する際は、CC0ライセンスとして世に出しても問題がないか精査した上でご判断されることを推奨します。

CC0 NFTに関しては以下の記事などで詳しく考察しているので、興味がある方は合わせてご覧いただけると幸いです。


出典:OpenSea

最後に補足情報として、OKPC NFTは総発行数としては8192個であり、執筆時点におけるOpenSea上でのfloor priice(最低価格)は0.03ETHとなっています。

技術的に面白いポイントをピックアップ

本章では、OKPCプロジェクトの技術部分の説明がなされたTwitterスレッドを元に、スマートコントラクト実装に関して面白い・斬新なところを中心に解説してまいります。

NFTを保有するNFT

OKPCのNFT(ハードウェアNFT)を保有している場合、NFT内に表示されるアートワーク(ソフトウェアNFT)を、最大512個まで収集することができます。

そのため、1つのハードウェアNFTで、異なる画像(ソフトウェアNFT)を内部にホストすることが可能な仕様です。

出典:Twitter

Nintendo Switchで例えると、1つの端末に複数のソフトを複数個(最大512個まで)DLして保持できるといったイメージです。

アートワークとして表示する作品をオンチェーンで変更可能

先ほどの章で、1つのハードウェアNFTで異なる画像(ソフトウェアNFT)を最大512個まで内部にホスト可能であることを述べました。

それに加えてOKPCでは、任意のソフトウェアNFTをハードウェアNFTに対してセットすることができます。

出典:Twitter

Nintendo Switchで例えると、1つの端末に複数のソフトがDLされた状態になっていて、好きなソフトを画面に映し出してプレイできるといったイメージです。

ユーザー体験としてこの作業を、1つのNFTかつ完全にオンチェーンでおこなえることは、特筆すべきポイントでしょう。

また、昨今のNFTブームに対するカウンターカルチャー的な視点として興味深い点は、OpenSeaなどで購入したOKPCがお気に召さないアートワークであった場合、それを削除して新しく自分好みのアートワークを購入・設定することができるところです。

加えて、これらの処理が完全にEthereumチェーン上で完結している点は非常にCryptoネイティブ度が高く、また現状のNFTスペースに対して一石を投じる試みであると筆者は解釈しています。

自分だけのオリジナル作品を作れる

出典:Twitter

先程の章の内容と少し繋がりますが、OKPCでは他の人が作ったアートワークを収集・設定できるだけではなく、自分で作品を作り、それをNFTのディスプレイとして嵌め込むこともできます。

出典:okpc.app/paint

具体的には、paintページからドットを用いてピクセルアートワークを作成し、左上のでも表示のようにNFTのアートワークとして設定することが可能となっています。

オンチェーン/オフチェーンの切り替えが可能

出典:okpc.app/system

OKPCの革新的な点として、画像データの「オンチェーン/オフチェーン」スイッチを追加したことも挙げられます。

NFT保有者は、システムページから「オフチェーン」に切り替えることで、自身の保有するOKPC NFTをTwitter PFPとして利用することができるようになります。

出典:Twitter

また、オフチェーン⇄オンチェーンの切り替えは、Webサイトなどを通して以下のコントラクトを呼び出すことで、いつでも自由におこなえます。

出典:Etherscan

Merkleツリーの使用

出典:Twitter

allowリスト(ホワイトリスト)に登録されたアドレスのNFT mintをより効率化するために、本プロジェクトではMerkleツリーを使用しています。

Merkleツリーは、Bitcoinのトランザクションデータを短くまとめるために用いられたり、Uniswapが$UNIを配布する際にも用いられた技術です。

Merkleツリーに関しては、以下記事で触れているので、詳しく知りたい方はこちらをご参考ください。

NFT購入から設定までの一連の流れなど


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まとめ

今回は、アートワークを自由にカスタマイズできるフルオンチェーンCC0 NFTプロジェクト「OKPC」について取り上げていき、その概要や趣旨などについて紹介・解説しました。

本記事が、OKPCの概要や注目ポイント、実際の購入方法などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。

また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。

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