以前、弊メディアで取り上げた「Phi」というプロジェクトが、国内外で多くの方々から評価され話題になることが増えてきており、改めてその注目度の高さが窺えるようになってきました。
筆者は、以前(2022年3月24日)にPhiに関する最初の記事を執筆しましたが、その際はPhiの概要や遊び方、注目ポイントについてピックアップしています。
しかし改めて、『こんなに素晴らしいクリプトネイティブなプロジェクトが、一体どのようにして生まれたのか』について知りたいと思い、Phiのco-founder(共同創業者)であるconsomeさんに先日インタビュー依頼を申請し、快く了承していただきました。
本記事を通して、Phiの起案背景や設計思想など「今まで多く語られることのなかった部分」にフォーカスしていくことで、Phiというプロジェクトの魅力をより多くの方々に知っていただく機会になれば嬉しく存じます。
でははじめに、この記事の構成について説明します。
まずは、「Phi」というプロジェクトについての概要をおさらいすることで、次章のインタビューパートにおける読者の皆様の理解促進に努めてまいります。
続いて、Phiのco-founder(共同創業者)であるconsomeさんへのインタビューの内容について、文字起こしして読みやすく編集したものをお伝えしてまいります。
最後に筆者の論考・考察パートも交えながら、「Phi」というプロジェクトについて再探求していくことで、Phiの魅力や設計思想の深みなどについて理解していただくことを目指します。
本記事が、「Phi」の魅力や起案背景、設計思想などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。
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前書き|「Phiとは何か」について軽くおさらい
本記事の本題に入る前に、改めて「Phiとは何か」ご存知ない方に向けて、簡潔に要点をまとめていきます。また、Phiに関する詳細な解説記事を読みたいという方は、先に以下をご一読されることを推奨いたします。
Phiは、ウォレットアドレスとオンチェーンアクティビティ(オンチェーン履歴)で構成される、ビジュアルレイヤーのプロジェクトです。
ユーザーのウォレットアドレスから「DeFiでの活動履歴」「NFTの保有履歴」などを読み取り、以下画像のようにオブジェクト(アイテム)として視覚化することによって、オープンで包括的なメタバースランドシステムを作成します。
つまり、一般的なメタバース系プロジェクトで散見される「有限な土地」は存在せず、実質無制限で(≒誰でもENSアドレスを取得することで)土地を生成できる仕様になっているのです。
このようにプロジェクトの基盤部分をオープンな設計にすることで、各プロジェクト内のデータ(土地/オブジェクトなど)がサイロ化されて『いわゆるweb2ライクなメタバース』になってしまうことを防ぎ、ネットワーク効果を最大限に高めやすいという利点を創り出し、web3ライクなメタバース論を提唱しているものであると筆者は理解しています。
では、なぜPhiがこのような設計に至ったのか、そこにはどのような思い・哲学が込められているのか。
これらの点について、次章でPhiのco-founder(共同創業者)であるconsomeさんに、詳しく伺っていきたいと思います。
consomeさんへのインタビュー
本日はお忙しいところお時間をいただき、本当にありがとうございます!
Phiについてもっと深掘りして知りたいと思っている人が多いので、この機会にたくさん質問させてもらえれば嬉しいです。
こちらこそありがとうございます!
お手柔らかに、よろしくお願いします。
どんな人たちにPhiを使ってほしいか
早速ですが、Phiってテストネットの際に「Linktree」みたいな使い方もされていましたよね。
あの使い方は素晴らしいなと思いました!
ありがとうございます。
ただ、Linktreeって『事業者向けのもの』だなと、ちょっと思うんですよね。
例えば、自分のサイトを持っていたり、自分のアートギャラリーを持っている人が使うサービスみたいな。
そうすると、web3の一般ユーザー(例:NFTのトレードぐらいしかやっていない人)って、別にLinktree使う必要ないですよね。
確かに、多くの人は自分のサイトも持っていないわけですし、何も掲載するリンクがないですね。
そう。だからその代わりのポジションとして、今だとDeBankみたいな「自分のwalletの履歴が見れる」サービスのリンクとかを貼っている人が多いじゃないですか?
その類のものはいっぱいありますよね。例えばZapperとか。
そうそう!
今って、Twitterのプロフィール欄にそういったリンクを貼っている人が多いと思うんですけど、あれってノイズが多いのと、あと資産をダイレクトに見れちゃうんですよね。そこを引け目に感じる人も多少いるだろうなと思うんですよ。
納得感があります。つまり、自分の財布の中身を含めて全部の資産情報を公開しているみたいな感覚ですよね。
で、あの表示って自分でカスタムできないじゃないですか?
『このトランザクションは見せたいけど、このトランザクションは隠したい』みたいな。
うんうん
そういう時にPhiだったら、自分の土地の上に置くものは選んでカスタムできますし、ノイズを省いて自分が見せたいウォレットアクティビティだけをオブジェクトとして乗せられるんですよ。
そうですよね。その仕様は本当に素晴らしいと思います。
はい。なので、事業者向けというよりはエッジ(一般の人たち)向けサービスのイメージで、もっと多くの人に使ってもらえたら嬉しいなと思っています。
で、それこそが僕はweb3だなと思うんですよ。エッジに向けたプロダクトというか。
間違いないですね。しかも今のテストネットの段階で、既にいろんな人たちがtwitterでシェアしたりして遊んでいますよね。
本当にありがたいんですよね〜。
めちゃめちゃありがたくて、例えば「PhiのクエストクリアしようDAO」みたいなのが生まれていたりして。ああいうのはすごく嬉しいですね。
web3プロジェクト全般の課題と、Phiでの改善策について
あと、web3のプロダクトってリテンション(顧客維持率)が低いことがよく問題に挙がるんですよね。例えば、ユーザーが何度も訪れるweb3のサービスって滅多にないじゃないですか?
言われてみると全然思い当たらないですね。
僕もその感覚です。
はい。だからOpenSeaみたいなweb3関連サービスはリテンションが高いと思うんですけど、他のサービスはリテンションが低いものが多いので、この課題をクリアしなければマズいなと思っていましたね。
おー、それは面白い!
Phiを考案する際も、「どうやったらリテンションを高められるか」についてすごく考えていました。
それで、twitterのプロフィールリンクのところにPhiの土地リンクが貼ってあったら、それを見た人たちは思わずアクセスしちゃうんじゃないかな?それでリテンションが高まるんじゃないかな?と、思っていましたね。
だから、『自分から見ようと思って直接Phiのサイトにアクセスしに行く』のではなくて、「①その人のプロフィールリンクを辿ったらPhiの土地があった」「②だから行った」というやり方です。
そういった形式で、リテンション問題を少し改善できるのかなと思っています。
なので、戦略としてLinktreeの代替ポジションを狙いたいなとは思っていましたね。Phiは、一般のweb3ユーザ向けのLinktreeというイメージです。
なるほど〜!これは本当に深いですね。だってもう全部繋がっているじゃないですか。土地に行ったらリンクがたくさん貼ってあって。他の人の土地にも遷移できますし。「今後こう使われていきそう」みたいなことが、いろいろ考えられますよね。
例えば有名人であれば、その人の持っている土地に広告を貼るようなビジネスをやる人も出てきてもおかしくないですし。
そうなんですよ!そういった方向性を考えて「アテンションスコア」というものを設けています。
Phiにおける各スコアの存在意義・誕生の背景
先ほどの「③アテンションスコア」とは何なのかを簡単にいうと、『よく見られている土地ランキング』です。そういう指標を設けておくと一層注目度が高まるので、さっきでりおさんが言っていた「広告っぽいビジネス」とかも、将来的にできたら面白そうだなと思いますね。
LEADERBOARD(リーダーボード)に書かれていた指標は、そういった意味合いのものだったんですね!
そうそう。いろんな軸のスコアがあった方が絶対に面白いだろうなと思っていて、③アテンションスコア の他にも以下2つの指標を設けています。
- ランドパワースコア:どれだけEXP(経験値)の高いクエストオブジェクトを土地に置いたかを表す指標
- ソーシャルスコア:どれだけ友達がいるか(リンクが貼られている数の多さ)を表す指標
なるほど、テストネットローンチ時にTwitterで『相互リンクしましょう!』と呼びかける人が多かったのも、この指標を上げたいというモチベーションが一つあったのですね。(もちろん単純にワクワク感が動機になっている人もたくさんいました。)
みんな僕のメタバースと相互リンク(エモ)しよ〜
— askyv@SF🌉 (@a_kyshi) April 23, 2022
Come visit my philand @phi_xyzhttps://t.co/l3IKvabtjN
そうですね。
ちなみに、②ソーシャルスコア に関しては「Googleの検索エンジン」を参考にしたところがあります。
これは厳密には正確ではないんですけど、Googleの検索エンジンってざっくり言うと「リンクが貼られている数」で各サイトのランク付けをおこなっているんですよ。たくさん参照されているサイトほど上に表示させてあげるっていう仕組みなんですけど、それを参考にして「リンクが貼られている土地」は、みんなから注目されている/良い土地である可能性が高いので、こういうスコアリングモデルを採用しました。
また、もう少し厳密に言うと、ある土地に貼られたリンクがたくさんあったとして、③アテンションスコア は「リンク先に飛んだ数」を表すようにしています。飛ぶということは、例えばUniswapのリンクを貼っていたらUniswapのページに遷移する訳じゃないですか?それってUniswapの注目度が高まることに繋がったり、それ自体がUniswapの宣伝になりますよね。
これは正の外部性を意識して、こういう設計にしています。要は、『あなたの土地が他のプロトコルにどのくらい貢献したのか?』を表す指標、それがアテンションスコアです。
なるほど〜。サービス設計の基盤からすごくクリプトネイティブな思想が詰め込まれていて、さすがconsomeさんという感じです。
Phiが提唱する「メタバース論」
リーダーボードを見ていると、Phiのランド間ですごくたくさんリンクが貼られたりして繋がり合っていて、Phiの中で1つのインターネットが形成されているんですよね。
ランドとランドが相互にリンクをたくさん貼り合っていて、「Phiのランドネットワーク」とも表現できる繋がりができています。
面白いですね。
それって視覚化したりできないんですか?
オンチェーンデータなので、やろうと思えばできますよ!
ソーシャルグラフみたいなことですよね?
ですです。The Meshファウンダー takenstheoremさんの「Ownership network(以下画像)」みたいに、オンチェーンデータの繋がり・Phiのランドネットワークを分かりやすく可視化してあげたら、また一つ面白くなりそうだな〜と。
良いですね。これこそ僕が考える「web3メタバース」って感じなんですよね。多分めっちゃコアな核の部分の話になるんですけど。
いや、僕もすごく分かります。
やっぱり、「web3メタバースとはネットワークであるべき」というのが僕の考えですね。そして、それをPhiを通して表現したかった。
ちなみにこれは個人的に聞いてみたいことですが、「メタバース」という単語をあえて使わないとすれば、Phiをどのように表現されますか?
なんだろう、『インターネット上で土地というものを定義するならばこうあるべき』ですかね。
例えばよくあるパターンとしては、まず”土地”というものがあって、それを区切ってNFT化しているじゃないですか。このモデルとしては、有限の土地があって、現実世界みたいに土地の「広さ」とか、「都心への近さ」とかで値付けしてNFTの価格を決める訳ですよ。
はい、一般的にはその類のものが多い印象です。
でも、その価格には何の根拠もない訳ですよ。この土地が1ETHなのかって、別に何の裏付けもなくて、ただ単に運営が決めた土地の大きさや数量が存在していて、確実に価値があるのかも分からないような土地のNFTを、高い値段で売る訳ですよ。それって僕の気持ちとしては、「何か違うな」というのが心のどこかでずっとあったんですよ。
確かに、「何か違う」感じはありますね。
「何か違う感」あるじゃないですか。
クリプト好きな人たちは『それはちょっと違うだろう…』と感じると思うんですけど、なんで違うと感じるか…。例えばトップダウン感がめっちゃ強いじゃないですか。
そうですね、トップダウン感。
あと、なんか結局そこだけ繋がっていないというか、サイロ化されているな〜とは感じますよね。
そうそう。だから僕がPhiを創った根源的なところとしては、そういったものへの反抗心・アンチテーゼ的なところはありましたね。
だからこそ、『ボトムアップ型の土地』を定義したいと思ったんですよ。そこが結構コアな部分の気持ちというか、感情的なところですね。
なるほど〜、ありがとうございます!
あまり表に出てこないような、すごく貴重なお話を聞けて光栄です。
良かったです。笑
で、そういったものを創るにあたって何か良いサンプルとかリファレンス(参考文献)ないかな〜と思っていたところ、インターネットが良いリファレンスだなと気づいたんですよね。
インターネットって、別にwebサイトを作れる量に対して特に決まりがあるわけじゃないし、誰でも無制限に作ろうと思えば作れるし、しかも作るコストもほぼ0円に近いし。
インターネットのレベルまで俯瞰しますか。でも言われて見ればそうですね。
そう。それで、「webサイトってドメイン持ってんじゃん!」って気づいたと。さらにそこにプラスしてweb3の考え方も混ぜたんですよ。
どういうことかと言うと、一般的にwebサイトの立ち上げって、webサイトをローカルで作った後に独自ドメインを設定するという流れじゃないですか?でもここの部分をweb3っぽくするためにLootから着想を得てみたら面白くなるんじゃないかなと思った訳です。
Lootエコシステムって、まずLootという「文字列」があって、その上にビジュアルのレイヤーが乗っていく流れじゃないですか?
そうですね、例えば「Realms」「HyperLoot」などが、特に有名なLootのビジュアルレイヤーとして立ち上がっているプロジェクトですね。
そうそう。ということは、ENSも「ドメインという文字列のNFT」がまず最初に存在している訳ですから、その上にビジュアルのレイヤーを乗せたかったんですよね。
だからこそ、Phiでは『ENSから土地をつくる』という発想に至りましたし、このアイデアはインターネットとLootを参考にして生まれたものです。
Lootを参考にするのはまだしも、インターネットから着想を得るというのは、さすが視野がお広いですね。
いえいえ。笑
この一連の流れを通して、物理世界における土地と、インターネット世界における土地の違い・対立構造に気づいたんですよ。
物理世界では数に限りがあって、土地の面積や都市への近さなどの要素で値段が決まりますよね。でもインターネットにはそういった概念がないじゃないですか。サイトAとサイトBの距離が近い/遠いとかもないですし、存在できる数も無限に近いですし、そもそも土地そのものを誰でも自由に作れますし。
NFTは今後さらに無料化/フリーミアム化の流れが加速していく
面白いですね。僕個人としてはすごく賛同できるところが多いです。
ただ、あえて読者の方が感じそうな質問をしても良いですか?
はい、もちろん。
ありがとうございます。
先ほど仰られていたように、web3における土地って本来は有限ではなく無限の方がマッチしている訳ですよね。ただ、「無限にしてどうやってマネタイズするの?」という疑問が生まれてくると思うんですよ。
はいはいはいはい。そうですよね。
例えば、よくあるPFPみたいな1万体発行するタイプのNFTコレクションも、究極的には別に無限発行スタイルで良い訳じゃないですか?
技術的には無限で実装可能ですし、本来デジタルアイテムってそういうものだった訳ですし。
ただし、そこにあえて発行上限というものを設けて価値を持たせることで、ビジネスとして成り立たせている側面はあるのかなと思っています。
それを踏まえて、consomeさんが「Phiでは土地を無限にする」と判断するに至った決め手みたいなものは、何だったのでしょうか?
いや確かに、最初は土地を発行するときに、少し手数料を取ろうかなとも話には上がっていたんですよ。それこそENSって、発行するために少しETHが必要になるじゃないですか。
はい。文字数が少ないと高くなったりしますが、基本的には少額で契約できるものですね。
でも、例えばスマホアプリのゲームって最初の頃は買い切りモデルだったと思うんですよ。『1,000円出せばこのゲームでずっと遊べます』みたいな。その後、パズドラみたいなフリーミアムモデルが増えていきました。要は、基本は無料で遊べるんだけど、ちょっと他の人よりも目立ちたかったり強くなりたかったら課金してくださいというモデルですね。
なるほどなるほど。
僕はその歴史を知っていたので、これは役立つなと。それでいうとNFTも、今年の最初や去年とかは『値段をつけて売るモデル』が主流だったじゃないですか。これって僕の中ではソシャゲの歴史とかぶっているんですよね。
NFTもソシャゲ同様に、無料化の流れに進んでいくと。
そう。無料でもらったNFTを持っている人たちで構成されるエコシステムの中で、社会的な欲求を満たしたりするために多くの人がお金を支払う形式にシフトするだろうなと考えています。
要はパズドラの中で強い自分になりたいのと一緒じゃないですか?それに対してお金を支払っている。そういう方向にweb3も進んでいくんじゃないかという仮説の元、Phiの土地生成システム自体は無料にしました。その上で、他より目立つオブジェクトは課金が必要というモデルにして、そこでマネタイズができるんじゃないかなと。
まずは最初の入り口のところで、たくさんのユーザーを取りこぼさず囲い込むということですよね。
そうです。でも、それってすごくweb3っぽいと僕は思うんですよね。誰でも遊べますよっていうフリーミアムなモデルは設計としてinclusive(包括的)ですし。なので、Phiはよりweb3っぽい設計で舵を切ることができたと思っています。
フリーミアムモデルでいうと、フォートナイトとかもそうですよね。ユーザーがスキン(見た目)やエモート(動き)とかに課金することで成り立っていますし、コミュニケーションの部分とか、社会性の誇示みたいなところでお金が使われる。だから入り口のところは無料でも大丈夫という算段ですよね。
そうですね。それによって”お金お金”しなくなるといいますか。現状、NFTを買う理由の多くは投機だったり、儲けたいから買うという人が多いですよね。それに対してPhiでは「儲けたいから買う」ではなくて、「社会的欲求にお金を支払いたくなる」ように設計しています。
なるほど〜。そのモデルがPhiみたいなビジュアルレイヤーのものであれば、なおさらマッチしますよね。
「質の高い情報のシャワー」を浴び続ける
Phiの設計は何ヶ月にもわたって構想したんですけど、プロダクトの設計を考えるときに二者択一を迫られることが多いんですよね、やっぱり。
あれですね、いわゆる「二択問題」ってやつですね。
そう、例えば土地を発行するときに手数料を取る/取らない とか、あとは『メタバースを創るとなったら土地の発行数量は有限でしょう』って普通は考えるけど、そこで一回止まって『いやいや、無限でしょう』という感じで。
consomeさんの場合だと、条件分岐が尋常ではないほど多くなりそうですね。笑
そうなんですよ。笑
そもそも「それが二択問題である」と気づくのって、web3のことをめっちゃ見ていないと難しいんですよね。
まず「web3ってこうあるべきでしょ」という前提がないと、web3で有限の土地のメタバースやるってなっているときに、立ち止まれないんですよ。なので、web3とは何たるかを知っていたこと・知ろうと努めてきたことが、Phiではすごく役立ったと思います。
確かにその通りですね。そういう人がコアチームにいないと、ここで一度立ち止まってみようとはならないですからね。
ちょっと話が変わりますけど、consomeさんっていつも先を見据えたような示唆的なツイートをされていますよね?というのも、僕はずっと以前からconsomeさんのツイートはチェックするようにしていたからこそ分かるのですが、大体半年前のconsomeさんのツイートを遡ったら今議論されているようなことを断言されていることが多い印象です。(※現在は全ツイートを削除されたため遡って見ることができません)
半年ぶりに彼の霊圧が消えたので、お知らせ致します。 https://t.co/cSfUusBPkB
— でりおてんちょー|derio (@yutakandori) October 26, 2022
で、大体その通りになっているというか、的を得たことは半年前に既に考察済みでしたみたいな。これってどんなカラクリなのでしょうか?笑
この記事を読んでくださっている方々も気になっていると思いますので、ちょっと切り込んだ質問をしてみました。
新規プロジェクトを追いかけまくると、謎の能力を手に入れるんですよ。
朧げながら見えてきます?
はい。それでいうと例えば、Phiの「ENSをメタバースの土地に使おう」みたいなアイデアもそうでした。ENSって、2021年の6月あたりでは全然注目されていなかったんですよね。
「ENSは過小評価されている」と、当時から言われてましたもんね。
去年の9月に書いたENSの記事ですが、ここまでの盛り上がりは言語化できませんでした。
— でりおてんちょー|derio (@yutakandori) May 25, 2022
ちなみに、@ZkEther さんは当時から今のような使われ方の可能性を説いていたので、本当に天才です。
ツイ消しされてしまったので証拠はありませんが、Phiがそれを物語っていますよね。https://t.co/4cbtjU8NZz
全然注目されていないから、今高値で取引されているような3桁のアドレス(例123.eth)とかも取り放題だったんですよ。でもその当時から僕は、「あっ、これくるな」「ENS、絶対これから注目されるだろうな。」と思って、Phiのアイデアを固めていったら、作っている途中にどんどん数字系のENSが盛り上がっていったんですよね。今年(2022年)に入ってからじゃないですか、ENSがすごい盛り上がったのって。
はい、そうですね。
なので、ENSが何か来そうっていうのも、朧げながら浮かんできましたね。
朧げながら閃きを得ると。でも、普段やっぱりちゃんとリサーチされているからこそ、浮かんでくるんですよね。
ENSは多分、第六感ですね。
おー、カッコ良い。第六感!
ENSは当時、調べていても何も新しいプロジェクトとか出てこなかったんですけど、でも「何かくる」と思って、それでPhiのアイデアに繋がりましたね。
なるほど、ちゃんと日々質の高い情報のシャワーを浴び続けましょうということだと解釈しました。
他にもたくさんお聞きしたいことがありますが、そろそろお時間なので今回はこの辺りで。
本日はお忙しいところ貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!
筆者の考察・論考
本記事の最終章では、Phiのco-founder(共同創業者)であるconsomeさんへのインタビューを通して、筆者が得た気づきや考察などについて述べてまいります。
この続き: 3,384文字 / 画像5枚
まとめ
今回は、Phiのco-founder(共同創業者)であるconsomeさんに対してインタビューさせていただいた内容を中心に、Phiというプロジェクトについて再探求してまいりました。
本記事が、「Phi」の魅力や起案背景、設計思想などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。
また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。
🆕記事をアップしました🆕
— イーサリアムnavi🧭広告掲載募集中! (@ethereumnavi) November 4, 2022
今回は、Phiのco-founder @ZkEther さんへの取材記事📝
Phiの起案背景や設計思想など「今まで多く語られることのなかった部分」にフォーカスしていくことで、Phiというプロジェクトの魅力をより多くの方々に知っていただく機会になれば幸いです🎡https://t.co/oxw9hEzoLx
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