このシリーズでは、「Warpcastはweb3時代における『スーパーアプリ』になり得るか」について、深く掘り下げて解説していきます。
今回はシリーズ第2弾として、「ETHGlobal Frameworksの舞台裏:革新を牽引するファイナリストたちの紹介」というテーマをお届けします。
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先日(2024年3月22日〜24日)に開催された、ETHGlobalによる「Frameworks」では、FarcasterのFrameをフィーチャーしたハッカソンが行われました。このイベントでは、総額$75,000(約1000万円)の賞金が用意され、大きな盛り上がりを見せたと感じています。
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また、4月12日には、パリでBaseが主催するFarcasterとFrameに特化したハッカソン「Paris Base Frames Hackathon」も開催されることがアナウンスされており、Farcasterエコシステムの盛り上がりに一層拍車がかかることが期待されます。
Building on Base in Paris?
— Base 🛡️ (@base) April 9, 2024
RSVP for the Frames Hackathon, happening on April 12https://t.co/7DVP0Yhp6N
前回の記事では、執筆時点でFarcasterエコシステムに存在する多種多様なオンチェーン機能群を概観しましたが、今回は「現在どのような機能やツールが開発され、その中でも注目を集めている領域は何か」について見ていくことで、次回の第3段記事の「Warpcastが拓く未来:次世代スーパーアプリへの野心的な挑戦」へと繋げていきます。
- 前編:Farcasterエコシステムで誕生する多種多様なオンチェーン機能群を概観
- 中編:ETHGlobal Frameworksの舞台裏:革新を牽引するファイナリストたちの紹介
- 後編:Warpcastが拓く未来:次世代スーパーアプリへの野心的な挑戦
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本記事が、ETHGlobal Frameworksでファイナリストに選出されたプロジェクトの概要や、その全体像などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的または投資上のアドバイスとして解釈されることを意図したものではなく、また解釈されるべきではありません。ゆえに、特定のFT/NFTの購入を推奨するものではございませんので、あくまで勉強の一環としてご活用ください。
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FrameX:オンチェーン事業体を簡単に作成し、資金を集め、管理
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「FrameX」は、Syndicateや投資DAO、およびアセット管理者向けに設計されたプロジェクトです。「オンチェーンSPV(特別目的事業体)」を簡単に作成し、資金を集め、管理することができます。
FrameXで出来ることを簡潔に説明すると、彼らが本事業で構築している「StationXのオンチェーンSPVインフラ」と、「FarcasterのFrames機能」を組み合わせることで、ユーザーがスタートアップへの投資やDeFiへのLP追加、NFTの収集、 RWAの取得などの目的のために、資本を調達するためのオンチェーンSPV(通称:ステーション)を簡単に立ち上げることができます。
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FrameXプロジェクトでは、特定のステーションに対して個別に作成された「Frameリンク」を提供し、そこからルールベースでの寄付を集めることができます。
なお、執筆時点ではデモ版ページがエラーになっていますので、興味がある方はデモ動画をご覧いただくと、プロジェクトのイメージが掴めるかと思います。
Magic Frames:オンチェーン取引でコミュニティーに参加
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Magic Framesは、コーディングの知識がなくても、誰でも簡単に「Warpcastを離れることなくオンチェーン取引でコミュニティーに参加するためのFrameアプリ」を作成できるノーコードツールです。
利用者は、Magic Framesのホーム画面から、テンプレートなどを活用することで、自分専用のフレームを作成することができます。例えば、上のデモでは、DAOが新しいProposal(提案)をコミュニティに促し、そのFrameが乗ったキャスト(投稿)から直接投票できるフレームを作成しています。
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前編記事のNounsDAOの話で少し触れましたが、従来は「DAOの投票のためのサイト」「議論のためのSNS」「より深い議論のためのdiscourse」…など、プラットフォームが分断されていたことで、エンゲージメントが低下してしまう点が課題視されていました。
しかし、Magic FramesのようなDAO関連ツールが充足してくるようになると、よりユーザー体験を向上したDAOアクションが、Warpcastから離れず実行可能になると期待されます。
コミュニティとのインタラクションを強化する「インタラクティブなFrameアプリ」を作成するためのツールとして、今後の展開が楽しみです。
CalCast:Farcasterを活用して、ユーザー間の通話や会議の予約を可能に
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CalCastは、「Farcasterを活用して、ユーザー間の通話や会議の予約を可能にするプロジェクト」です。
Farcasterエコシステムは現在、投稿やインタラクティブ性、およびweb3スペースにいる人々とのコミュニケーションを中心に展開する、ソーシャルメディアのハブとして成長しています。
しかし、他の人と通話をしたいと思った場合、現在ではCalendlyやcal.comなどの外部アプリケーションに依存しており、CalCastはこの問題を解決するために開発されました。
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初期の段階では、CalCastは「Farcasterに内蔵された予約機能」として機能することを目指し、Frameを活用してより良いUXとデータの保有権を実現するとしています。
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技術的なところでは、PinataのFrameアナリティクスを利用して「Frameからのユーザー流出やクリック数、カレンダーのエンゲージメント方法などの統計を表示」していたり、theGraphを使用して「オンチェーンの予約やプロファイルデータを紐付け」し、Karma3Labsを利用して「ユーザーがカレンダーを閲覧できるかどうかを評判基準で制限するオプション機能」を提供したりしています。
Drifting Bottle:ロマンチックなソーシャルゲーム
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「Drifting Bottle」は、ユーザーのエンゲージメントを高めるために設計された、Framesソーシャルゲームです。
このプロジェクトでは、匿名でメッセージが封入された「ボトル」を送ったり見つけたりすることで、ソーシャルな交流を生み出すことを目指しています。
ゲーム性を簡単に説明すると、まずユーザー(Alice)はデジタル上の「海」に対して、メッセージを封じ込めたボトルを送り出すことができます。そして、他のユーザー(Bob)がそのボトルを見つけると、中のメッセージを見ることができます。
Bobがそのメッセージに対して返信すると、ボトルの作者の身元がAliceであることが明らかになりますが、面白いのはそのメッセージを他の人は見つけることができなくなって封印され、未来永劫AliceとBobの2人だけのやり取りになるという、ロマンチックなソーシャルゲームとなっていることです。
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このようにDrifting Bottleは、「Farcasterプロトコルを通じて人々を繋げること」を目的としており、匿名でメッセージを共有したり見つけたり出来るサービスを提供しようとしています。
将来的な機能拡張としては、以下のアイデアを掲げています。
- UI/UXの最適化やそのための改善
- 一日あたりのボトルの送信数や見つける数に制限を設ける
- プレイに対するインセンティブや報酬の提供
- ゲームプレイをオンチェーンに持ち込む
- ボトルの送信・封印をNFTのmint/burnと連動させる
- 永久に封印されたメッセージの実現
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個人的には、Farcasterの一番の強みである「ソーシャル性」をゲームに落とし込み、人と人を結びつける新たな方向性でのオンチェーンゲームとしての可能性がありそうで、今後の発展が楽しみだと考えています。
CastSense|パーソナライズされたFarcasterアナリティクス
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「CastSense」は、Farcasterユーザーが自身の「エンゲージメントトレンド」と「フォロワー活動」を、より深く理解するためのパーソナライズされたアナリティクスを提供するサービスです。
このサービスにより、ユーザーは自分のFarcasterでの活動やフォロワーの挙動に関する分析情報を、”Warpcastから離脱することなく“手に入れることができます。
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現状提供されている主な機能は、以下です。
- 活動指標
- 過去30日間のキャスト数・メンション数・いいね数・リプライ数・新規フォロワー数の変化などの指標
- フォロワー活動ヒートマップ
- 1週間のフォロワー活動を、解釈しやすいヒートマップ形式で視覚化
- アクティブチャネル
- フォロワーからのアクティブなチャネルを把握
- フォロワーセグメント
- フォロワーを異なる階層に分けて、フォロワーのタイプを簡単に理解できる
Check-In Caster:チェックインして報酬を獲得
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- ライブデモ
- Twitter(@checkin_xyz)
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- Twitter(@AbilSavio)
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- GitHub
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この続き: 4,177文字 / 画像16枚
まとめ
今回は、「Warpcastはweb3時代における『スーパーアプリ』になり得るか」シリーズの第2弾として、「ETHGlobal Frameworksの舞台裏:革新を牽引するファイナリストたちの紹介」をテーマに、各プロジェクトの概要やその周辺情報について、簡潔に解説しました。
本記事が、ETHGlobal Frameworksでファイナリストに選出されたプロジェクトの概要や、その全体像などについて理解したいと思われている方にとって、少しでもお役に立ったのであれば幸いです。
また励みになりますので、参考になったという方はぜひTwitterでのシェア・コメントなどしていただけると嬉しいです。
\Warpcastはweb3時代における/
— イーサリアムnavi🧭 (@ethereumnavi) April 11, 2024
\「スーパーアプリ」になり得るか/
💻ETHGlobalが、FarcasterのFrameに焦点を当てたハッカソン「Frameworks」を開催
💻ファイナリストに選出されたプロジェクト10個をサクッと解説
💻いま求められる機能やツールは何か
詳細はこちら👇https://t.co/lZGMTmfBJJ
Great to be featured as Check-in Caster, by one of the best Japanese crypto media 🚀🚀✅ https://t.co/KA6lDsguYw
— yuki (on Farcaster) 🔜 Farcon (@yukiw_eth) April 11, 2024
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